同社は、家族経営の不動産会社であり、賃貸・売買物件の紹介を主たる事業としていました。かつては、店頭や担当者からの情報を元に物件を探す顧客がほとんどでしたが、昨今は、予めスマートフォンで物件情報を検索し、その物件を見るために来店する顧客が多くなってきており、同社はインターネットでの情報発信を強化する必要性を感じていました。
そこで、同社は物件をユーチューブの動画、パノラマ画像、VR(Virtual Reality:仮想現実)で紹介できるホームページを立上げようと考えました。特にVRでの紹介はホームページの閲覧者が、あたかもその物件の内部にいるような状況で見たいところを見ることができるような仕組みであり、今回立ち上げるホームページの大きな特徴となっています。
このホームページを立ち上げるにあたって、その費用を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。そこで、同社における当補助金の計画書策定に関するご支援を弊社が行い、無事採択されたわけですが、採択される計画書を同社がどのように作成したのかをご紹介します。
今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画書>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
なお、当コラムでは<補助事業計画>のうち「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。
1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」記入の仕方
(1) 端的に述べる
相手にストレスを与えず、物事をより正しく伝える際に意識したいのは「結論先出し」です。当欄は、補助金を使った事業を説明する欄ですので、まずは、補助金を使った販路開拓等の取組内容として何をするのかを端的に述べます。
同社の場合は「販路開拓等(生産性向上)の取組内容は、ホームページを新規に立ち上げ、広く情報発信を行っていく」と述べ、次に以下のような説明を加えました。
(2) 具体的に述べる
公募要領の「審査の観点」では、補助事業計画の具体性について審査する旨が記載されています。よって、補助事業を具体的に述べる必要がありますが、この際にお勧めしているのは、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hを用いることです。
具体的には、以下のような説明を盛り込みました。
(3) 創意工夫の特徴を述べる
前述の公募要領、「審査の観点」では、補助事業計画に創意工夫の特徴があるかという点についても審査する旨が記載されています。そこで、5W1Hを説明した表の下に、概ね以下の内容を盛り込みました。
【創意工夫の特徴】
- 新着・おすすめ物件、物件ランキングが表示できる。
- 物件一覧ページにて、検索件数が表示できる。
- SNSと連携できるとともに、スマートフォンに対応している。
- ユーチューブによる動画、パノラマ画像、VR画像が表示できる。なお、以下に表示される画像のイメージを示す。
(4) ビジュアルに訴求する
今回立ち上げるホームページの最大の特徴であるVRについて、読み手のビジュアルに訴求するために、すでにVR画像を用いている他社ホームページの画像を利用し、「リビングに入った場面の画像」「リビングを出てキッチンへ向かう場面の画像」など、どのように物件が見えるのかを表示しました。
このようにして「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画書>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を記載しましたが、次回は「4.補助事業の効果」について見ていきます。
2.当コラムの解説動画
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