同社は、ダンス教室の運営を主たる事業としていますが、新型コロナウイルスの影響により、対面接触のレッスンを避けたい生徒が退会・休会し、ダンス関連のイベントも中止が相次いだ結果、業績が厳しくなってしまいました。
そこで、広告宣伝を強化するべく、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>を活用するために、計画書を作成して当補助金に応募したわけですが、残念ながら不採択となってしまいました。
その計画書をもとに、なぜ不採択になってしまったのか、想定される理由を検証していきますが、今回のコラムでは、低感染リスク型ビジネス枠で【不採択】だったダンス教室の事例③に引き続き<補助事業計画>「2.補助事業の内容」からその理由を見ていきます。
1.不採択の想定理由「補助事業の内容」編
同社は、当欄の冒頭に補助事業の内容を端的に記載し、その後に各補助事業の内容を記載していました。これは読み手が補助事業の全体像を最初に把握できるという点で、好ましい書き方だと感じました。ですが、補助事業の内容に関する記載は改善の余地があるようです。具体的な改善ポイントは以下の通りです。
(1)対人接触機会の減少が見込めない
当補助金の計画書フォーマットは小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードするわけですが、このフォーマットの中の<補助事業計画>「2.補助事業の内容」には以下の但し書きがあります。
感染拡大防止のための対人接触機会の減少に資する新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組について、取組内容や実施体制、スケジュールを具体的に記載してください。
太字部分にあるように、当補助事業はそれを実施することによって、顧客などと直接接触する機会が減少する取組であることが必要です。しかし、同社の取組はチラシの配布や広告の出稿によるダンス教室への集客であり、これを実施すると対人接触機会は増加してしまうことが想定される内容となっていました。このように補助金の目的に沿っていない取組は不採択の可能性を高めてしまいます。
(2)新規性がうかがえない
再度、前述の但し書きを見てみます。
感染拡大防止のための対人接触機会の減少に資する新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組について、取組内容や実施体制、スケジュールを具体的に記載してください。
太字部分にあるように、当補助事業には新規性が求められており、自社なりの新規性を訴求する必要があります。例えば、今回の補助事業はこれまで自社では実施していなかった取組であることを述べたり、競合の一覧表を作成して他社が実施していないことを述べて、新規性を訴求すると良いでしょう。
しかし、同社はそのような新規性をうかがわせる記載が一切無かったことも不採択の可能性を高めてしまったのではないでしょうか。
(3)スケジュール・実施体制の記載がない
しつこいですが再再度、前述の但し書きを見てみます。
感染拡大防止のための対人接触機会の減少に資する新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組について、取組内容や実施体制、スケジュールを具体的に記載してください。
太字部分にあるように、当欄には取組内容の他に、だれが実施するのかという実施体制や、いつ実施するのかというスケジュールの記載が求められています。ですが、同社が記載してきた内容にはそれらが含まれてはおらず、取組内容のみの記載でした。このことも不採択の可能性を高めてしまったと考えられます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で不採択だったダンス教室の計画書を題材に<補助事業計画>「2.補助事業の内容」から不採択の想定理由として(1) 対人接触機会の減少が見込めない、(2)新規性がうかがえない、(3) スケジュール・実施体制の記載がない、を挙げました。次回はこれに引き続き「3.補助事業の効果」から想定される不採択理由を見ていきます。
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