同社は、車両の販売を主たる事業としていますが、新規顧客を増やそうと考え、ホームページを開設することとし、その資金を調達するべく、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>を活用することにしました。そこで、計画書を作成して当補助金に応募したわけですが、残念ながら不採択となってしまいました。
その計画書をもとに、なぜ不採択になってしまったのか、想定される理由を検証していきますが、今回のコラムでは<補助事業計画>「1.補助事業名」について見ていきます。
1.不採択の想定理由「補助事業名」編
「名は体を表す」と言われますし、採択されると補助事業名は事業者名とともに持続化補助金のホームページに公表されます。よって、少しでも採択の可能性を高めるためには、補助事業名にも気を配る必要があり、そのような観点から同社の補助事業名を見ていくと、以下の内容が気になりました。
(1)内容が一般的すぎる
例えば、広告宣伝を目的にホームページを作成するという補助事業を考えた場合、その補助事業名を「広告宣伝を目的としたホームページ作成事業」にしたとします。これはあまりにも一般的というか、当たり前すぎる事業名です。
また、売上を向上させるためにネット通販を行うという補助事業を考えた場合、その補助事業名を「売上向上を狙ったネット通販展開事業」としたとします。これもあまりにも一般的というか、当たり前すぎる事業名です。
同社の補助事業名はこのような一般的すぎる事業名となっており、事業の特徴を訴求するものになっていない印象がありました。このことが不採択の可能性を高めてしまったと考えられます。
(2)キーワードが足りない
補助金に応募する際のルールブックである公募要領ですが、小規模事業者持続化補助金の公募要領には「審査の観点」として以下が記載されています。
上図の中で、「補助事業名」を記載するときに意識したいのは、3つの下線部分です。イ)の下線部分は自社の強みを活用すること、ウ)の下線部分は事業に新規性があること、エ)の下線部分は補助金を使うことによって対人接触機会が減少することが求められており、可能な限りこれらを補助事業名で訴求する必要があります。
例えば、自社の強みである充実した品揃えをホームページで訴求し、オンラインで商談をする事業を新たに立ち上げたいのであれば「豊富な品揃えを訴求し、オンライン商談をするための新事業の展開」という補助事業名が考えられます。
この補助事業名は、強みを活用した事業であることを訴求するために「豊富な品揃え」、事業の新規性を訴求するために「新事業の展開」、対人接触機会の減少を訴求するために「オンライン商談」というキーワードを補助事業名に盛り込んでいます。
同社の補助事業名には、このようなキーワードが盛り込まれていなかった点が、不採択の可能性を高めてしまったと考えられます。
(3)字数を目一杯使っていない
前述のように、効果的なキーワードを盛り込もうとすると、それなりの文字数が必要になります。ただし、当補助金の補助事業名は30文字の制限がありますから、制限字数は目一杯使うことを意識したいです。
ちなみに前述で示した補助事業名の例である「豊富な品揃えを訴求し、オンライン商談をするための新事業の展開」は30文字ですが、同社が記載した補助事業名は20字に満たないものでした。よって、訴求するためのキーワードがふんだんに盛り込まれておらず、このことが不採択の可能性を高めてしまったと考えられます。
今回のコラムでは不採択の想定理由として、 (1)内容が一般的すぎる、(2) キーワードが足りない、(3)字数を目一杯使っていない補助事業名だったことを挙げました。次回のコラムでは、今回に引き続き<補助事業計画>「2.補助事業の内容」を見ていきます。
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