持続化補助金【低感染リスク型】で不採択だったバーの事例③

小規模事業者持続化補助金

 同店は、東京のベッドタウンに立地するバーですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、webマーケティングの強化と設備投資をすることとし、それにかかる費用の一部を調達するために、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に申請したものの、不採択という結果になってしまいました。

 当コラムでは同店が作成した計画書の内容から、なぜ不採択になってしまったのか、その理由を検証していくことで、採択される計画書の条件を考えていきます。

 以下は、当補助金に応募する際に作成する「様式1」の構成ですが、今回は前回のコラム持続化補助金【低感染リスク型】で不採択だったバーの事例②に引き続き、赤枠部分<補助事業計画>「2.補助事業の内容」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年11月19日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金【低感染リスク型】不採択を招いた想定理由

(1)補助金の目的に合致した取組になっていない

 当補助金に応募する際のルールブックである公募要領の4ページには下記の記述があります。

 これによると赤線部分にあるように、補助事業を実施することによって「対人接触機会の減少」が見込まれることが期待されています。また、同公募要領には「審査の観点」というページがありますが、21ページに以下の記載があります。

 ここでも赤線部分にあるように「対人接触機会の減少に資する取組」が求められていることが分かります。ですが、同店の取組はwebマーケティングを実施して、自店に顧客を集めようという取組であり、対人接触機会を減少させることが困難な取組であることから、当補助金の目的に合致していませんでした。

(2)書くべきことを書いていない

 当補助金の計画書フォーマットには以下の但し書きがあります。

 ※感染拡大防止のための対人接触機会の減少に資する新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組について、取組内容や実施体制、スケジュールを具体的に記載してください。

 この記述から「取組内容」の他に「実施体制」「スケジュール」の記載が求められていることが分かります。「実施体制」は、社内外で当事業に関わる人が誰でどのような役割を果たすのかということを明確に記載します。

 また、「スケジュール」は、当補助事業をいつから始め、いつまでに終わらせるのかという時間軸の下、いつ何を行うのかを明確に記載します。同店の計画書には、この両方について記載がなかったことも不採択という結果を招いた要因として捉えることができます。

(3)具体性に欠けている

 前述の「但し書き」には「具体的に記載してください」とありますが、弊社では、補助事業の内容を具体的に記述するために、補助事業をいつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hの観点から記述することをお勧めしています。

 同店はこの5W1Hのうち、いつ(When)、だれが(Who)、なぜ(Why)、どこで(Where)に関する記載がなく、具体性に欠ける記述となっていたことも不採択を招いた要因として捉えることができるのではないでしょうか。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で不採択だったバーの<補助事業計画>「2.補助事業の内容」から不採択を招いた想定理由として、(1) 補助金の目的に合致した取組になっていない、(2)書くべきことを書いていない、(3)具体性に欠けている、を挙げました。次回のコラムでは<補助事業計画>「3.補助事業の効果」について見ていきます。

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