持続化補助金【低感染リスク型】に採択されなかった整体院の事例④

小規模事業者持続化補助金

 同院は、大都市圏に立地する整体院ですが、新型コロナウイルス感染症の拡がりを受け、今後の事業展開に大きな不安を覚えるようになりました。

 そこで新規にホームページを立上げてマーケティングを強化しようと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達することとし、計画書を作成して応募しましたが、残念ながら不採択という結果になりました。

 そこで当コラムでは、同院が応募時に作成した計画書の内容から、不採択になった理由を検証し、採択される計画書を作成するヒントを見出していきます。

 以下は、当補助金応募時に作成する「様式1」の構成ですが、今回は持続化補助金【低感染リスク型】で不採択だった整体院の事例③に引き続き、赤枠部分<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年11月28日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金【低感染リスク型】で採択されなかった想定理由

(1)補助事業ではない事業の効果を記載したから

 同院はリピート率の向上が見込めるといった効果を記載しておりました。ですが、同院の今回における補助事業は、新規顧客を集客する取組であり、既存顧客を固定化する取組ではありません。

 つまり、補助事業ではない事業について効果を記載しているわけで、それは当欄で求められている内容ではないはずです。このように書くべき内容を書くべき欄に書いていなかったことが、同院が不採択を引き寄せてしまった理由のひとつと考えられます。

(2)補助事業の目標を記載しているから

 goo国語辞書によると「効果」とは、ある働きかけによって現れる望ましい結果とされています。よって、今回見ている「3.補助事業の効果」には、補助事業を行うことによってどのような望ましい結果が現れるのかを記載する必要があります。

 同院は、補助事業を行って「前年比●%アップを目指す」という記載をしていました。ですが「前年比●%アップという効果がある」と記載しているのならともかく、「目指す」としていますからこれは効果ではなく目標と捉えられるリスクがあり、このことが不採択を引き寄せてしまった可能性があります。

(3)定量的効果を記載していないから

 これまで見てきたように、同院は補助事業ではない事業の効果や目標を記載していましたが、補助事業の効果も記載はしておりました。ですが、その内容は客数や売上の向上といった記載に留まっていました。

 これらは数値で表すことのできる定量的効果ですが、効果を数値で表すことにより、それをしっかり検証したことになりますし、効果の大きさも訴求することができます。極端な例を挙げますが、売上が10円増加することと、100万円増加することでは、効果の大きさがどれくらい違うかは自明の理であるということです。

 このような定量的効果を記載しなかったことも、同院が不採択を引き寄せてしまった要因として挙げられるのではないでしょうか。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】の計画書<補助事業計画>「3.補助事業の効果」から、同院が採択されなかった想定理由として、(1) 補助事業ではない事業の効果を記載したから、(2) 補助事業の目標を記載しているから、(3)定量的効果を記載していないから、を挙げました。

 同院が作成した計画書は、書くべき欄に書くべきことを書いていない点が目立ちました。「書きたいこと」と「書くべきこと」は異なることを認識していただき、予め全体の構成を練った上で、計画を作成することで採択を引き寄せることが可能となるでしょう。

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