持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択!衣料品店の事例④

小規模事業者持続化補助金

 同店は写真スタジオ併設の古着販売店を営んでおり、スタイリストのアドバイスによるコーディネートを施した顧客自身の姿を写真スタジオで撮影することができます。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、3密を避けるために撮影会などのイベントを自粛せざるを得なくなるとともに、外出自粛でアパレルの需要が低下したことにより、業績が悪化してしまいました。

 そこで、3密を避けるためにセルフ撮影ができる機器を導入するとともに、それを含めた同店の取組みをインターネットで広く訴求するための費用を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達することとし、計画書を作成して申請をした結果、採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、採択を引き寄せる計画書の書き方を見ていきます。下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、赤枠部分<補助事業計画>「2.補助事業の内容」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年3月2日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の内容の書き方編Pert1]

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の内容の書き方編Pert1](1)見出しを活かす

 当計画書のフォーマットは小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからダウンロードできますが、このフォーマット内<補助事業計画>「2.補助事業の内容」欄を見ると、見出しとして■補助事業内容(取組内容)■必要な理由■事業実施スケジュールという記載があります。

 当欄になぜわざわざこのような見出しを設けているのかというと、当然のことながらこの見出しに関する内容を読み手が知りたいからであり、それを把握することが採択に大きな影響を及ぼすことが推測できます。

 同店は、これら見出しのうち■必要な理由という見出しを削除して補助事業の内容を記載しておりました。同店が当欄に記載していた内容から必要な理由を読み取れないことはありませんが、やはり設けられた見出しは残して、見出しに則った書き方をすることで、より採択の可能性が高まったと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の内容の書き方編Pert1](2)不要なことは記載しない

 前述の小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページにおいて「申請書類・様式」(下図①部分)のページには「電子申請の操作方法(Jグランツ)」(下図②部分)があります。

 これを見ると経費の明細は当システムに別途入力することになっており、今回見ている<補助事業計画>「2.補助事業の内容」に盛り込む必要がないことが分かりますが、同店は補助事業にかかる経費を一覧表にまとめて、当欄に盛り込んでいました。これは補助事業の内容に関する他の説明に費やすスペースが相応に削除されてしまうことになり、より豊富な情報を読み手に届けることが困難になってしまいます。

 よって、不要なことを盛り込まず、それ以外の説明を厚く記載することにより、同店は採択の可能性が高まったと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の内容の書き方編Pert1](3)冒頭に補助事業の内容を端的に示す

 弊社では「補助事業」を「補助金を使って行う事業」と定義していますが、同店は当欄冒頭に補助事業の内容を端的に記載しておりました。このことは、読み手が当欄冒頭を読むことで、補助事業の全体像を理解できることになります。

 読み手はその上で補助事業の細かな説明を読むことになるので、補助事業の内容について理解が深まりやすくなります。これに対して、冒頭から補助事業の細かな説明を記載し始めると、最後まで読まないと全体像が把握できないばかりか、読み手が途中で理解することや、ややもすると読むことを諦めてしまうリスクが発生してしまいます。

 このように、当欄冒頭に補助事業の内容を端的に示したことは、同店が採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

 今回のコラムでは、持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された衣料品店の<補助事業計画>「2.補助事業の内容」から、採択を引き寄せる書き方として(1)見出しを活かす、(2)不要なことは記載しない、(3)冒頭に補助事業の内容を端的に示す、を述べました。

 次回のコラムも今回採り上げた<補助事業計画>「2.補助事業の内容」欄の書き方を見ていきます。なお、同店を採り上げたこれまでのコラムは以下となります。

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