持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択!衣料品店の事例⑦

小規模事業者持続化補助金

 同店は写真スタジオ併設の古着販売店を営んでおり、スタイリストのアドバイスによるコーディネートを施した顧客自身の姿を写真スタジオで撮影することができます。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、3密を避けるために撮影会などのイベントを中止せざるを得なくなるとともに、外出自粛でアパレルの需要が低下したことにより、業績が悪化してしまいました。

 そこで、3密を避けるためにセルフ撮影ができる機器を導入するとともに、それを含めた同店の取組みをインターネットで広く訴求するための費用を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達することとしました。

 結果として同店は、この補助金に採択されたわけですが、当コラムでは、同店がその際に作成した計画書の内容から、採択を引き寄せる計画書の書き方を見ていきます。

 下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、赤枠部分<補助事業計画>「3.補助事業の効果」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年3月5日時点の情報に基づいています。

図表

1.持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の効果の書き方編]

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の効果の書き方編](1)量的な効果を記載する

 同店は当補助事業の実施による効果として、見込むことのできる売上高と利益を数値で記載しておりました。単に売上や利益が上がると記載するよりも、このように数値で記載することは、効果の量が具体的に把握できるため、説得力の向上が期待できます。同店はこのように数値で効果を示していたことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の効果の書き方編](2)ビジュアルに訴求する

 同店はこの量的な効果の示し方として、補助事業実施年度だけでなく、2・3年後に見込むことができる売上高・利益を表形式にして記載するとともに、これらをグラフにして記載しており、ビジュアルに訴求しておりました。

 文章だけの説明は、読み手の集中力を削ぎがちで、結果として記載した内容の理解が進まなくなってしまうリスクがあります。同店のようにビジュアルに訴求してそのようなリスクを軽減したことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [補助事業の効果の書き方編](3)質的な効果を記載する

 同店は、上で述べた数値で表すことのできる量的な効果に加えて、数値で表すことが困難な質的な効果も記載しておりました。

 具体的には自店のイメージ・地域貢献度・顧客満足度が高まるといった内容が挙げられますが、このように量と質の両面から効果を述べることは、多くの効果を抽出することが可能となり、この対応を行ったことも採択の可能性が高まったと考えられます。

 今回のコラムでは、持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された衣料品店の<補助事業計画>「3.補助事業の効果」から、採択を引き寄せる書き方として(1)量的な効果を記載する、(2)ビジュアルに訴求する、(3)質的な効果を記載する、を述べました。

 これまで7回にわたり同店の計画書を通じて採択のポイントを見てきましたが、それらをまとめたものが以下となります。

 また、同店を採り上げたこれまでのコラムは以下となります。

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