その衣料品店は、創業以来70年以上の業歴を重ね、地域密着型の事業展開をしてこられました。そして、店舗の立地場所近辺には、公共施設や公衆トイレがないことから、衣料品を買いに来られた方以外にも、トイレを借りたいというご要望が多い状況でした。
ただし、同店のトイレは店舗建設当初からの和式トイレとなっており、不便さを感じる顧客もおりました。そこで今以上に顧客満足度を向上させるために、トイレを洋式に改修するという店舗改装をしたいと考えるようになりました。
その費用を小規模事業者持続化補助金で調達しようとした同店に対して、弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。
下表は、当該補助金に応募する際に原則として提出する書類ですが、最終回の今回は、赤枠部分、様式3-1「Ⅱ.経費明細表」の書き方について見て行きます。
1.「Ⅱ.経費明細表」の書き方
同店が事前に当欄に記載された内容は概ね以下のものとなっていました。なお、赤枠と()付き数字は弊社が当コラム用に付け加えたものです。
この経費明細表は以下のように赤枠部分を修正していただきました。
(1)経費区分には○付き数字を書く
同店は当欄に「外注費」と記載していますが、公募要領では「①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費」のいずれかを○付き数字もあわせて記載することを指定しています。よって「外注費」ではなく「⑬外注費」と記載し直していただきました。
(2)必要理由を書く
内容・必要理由を書く欄に内容しか書かれていませんでしたので、必要理由を記載していただきました。
(3)経費内訳に「一式」は避ける
小規模事業者持続化補助金の応募に関するルールブックである公募要領にはどのような点を審査するのかを示した下記「審査の観点」があります。なお、赤枠は弊社が当コラム用に付け加えたものです。
赤枠で囲まれた部分からは、経費明細表を詳しく書く必要があることが分かります。そこで「一式」とまとめてしまわず、見積書に記載された内容を反映させ、行を複数設けて詳しく書く必要があります。
(4)回数を書く
同欄には「単価×回数」を記載することになっています。トイレが1台なら「1」と記載することとなります。
(5)税込・税抜を囲む
消費税の免税事業者であれば「税込」を、課税事業者であれば「税抜」を囲みます。税金が財源となっている補助金では、原則として、消費税などの税金を補助することはありませんので基本は「税込」で計画書を記載します。
ただし、免税事業者は消費税を取り扱わないという捉え方をしますので、「税込」を囲むことになります。
このようにして計画書のブラッシュアップを行った同店は無事採択されましたが、同店のように和式トイレを洋式トイレに改修するという店舗改装資金を当該補助金で調達する事例は非常に多い印象があります。ただし、トイレの改修だけでは集客が見込みにくいのも事実です。
近年の小規模事業者持続化補助金では、改修工事だけでは採択されない事例もチラホラ目にしますので、工事と広告を併せて申請することをお勧めしています。このような観点も参考にしていただき、当該補助金の採択を狙っていただければと思います。
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