当コラムにおいて、小規模事業者持続化補助金の採択事例を多数ご紹介してきましたが、採択される計画書というものは共通点があります。よって、これまでご紹介してきた事例や、2021年の公募要領を踏まえて、採択の可能性が高まる計画書の書き方をご紹介していきます。
以下は、小規模事業者持続化補助金＜一般型＞に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① ＜経営計画＞ 「４．経営方針・目標と今後のプラン」のうち【目標】の書き方について見ていきます。
なお、当コラムの内容は＜低感染リスク型ビジネス枠＞にも応用できますので、そちらにご応募を予定されている方も参考にして下さい。
1．「経営方針・目標と今後のプラン」【目標】の書き方
今回は【目標】について取り上げますが、前提として目的・目標・手段の違いを押さえておくと、適切な記載がしやすくなります。「目的・目標・手段の違いは何ですか？」と問われて自信を持って答えられない方は、ロードサイド店舗に目的・目標・手段がなければならない理由を参考にしてください。
これを踏まえた、小規模事業者持続化補助金に応募する際の【目標】の書き方におけるポイントは以下の通りです。
（1）2つの側面から検討する
目標は数値で表すことのできる定量的目標と、それが困難な定性的目標があります。定量的目標の具体例としては、売上高、利益額・率、伸び率、従業員数などがあり、定性的目標の具体例としては、知名度、イメージなどがあります。
この2つの側面から目標を多面的に検討することで、自社のありたい姿がより明確になり、そのことは目標達成の可能性が高まることを意味します。
（2）細分化する
定量的目標は細分化することをお勧めしています。例えば【売上高＝客数×客単価】ですが、「売上高100万円」という目標と、「客数100名・平均客単価10,000円」という目標は、どちらも目標とする売上高は同じではあるものの、より具体性が高い目標は後者になります。
また【客数＝新規顧客数＋既存顧客数】ですが、「客数100名の確保」という目標と「新規顧客数30名・既存顧客数70名の確保」という目標はどちらも目標とする客数は同じではあるものの、より具体性の高い目標は後者となります。
さらに【客単価＝買上単価×買上個数】ですが、「平均客単価10,000円」という目標と「買上平均単価2,500円・買上平均個数4個」という目標は、どちらも目標とする客単価は同じではあるものの、具体性が高い目標は後者になります。
これら具体性の高い目標を掲げると、新規顧客数30名を確保するための取組み、既存顧客数70名を確保するための取組み、買上平均単価を2,500円にする取組み、買上平均個数を4個にするための取組みを検討することになり、目標達成に向けた取組みの具体性が高まるため、達成できる可能性が向上することとなります。
上記は売上高目標の細分化例ですが、利益額目標であればこれに経費目標も加えたり、従業員数目標であれば既存従業員数と新規従業員数に細分化することも一考です。
（3）期限を決める
目標は「いつまでに」達成するという期限を決めることが重要です。これを決めないと、達成したか否か、達成度はどの程度だったかといった結果検証がいつまでもできないことになります。
次回のコラムで見て行く【今後のプラン】が3年計画であれば、1年目・2年目・3年目それぞれの目標を検討する必要もあります。これは1年目の達成率を踏まえて2年目の取組みを、2年目の達成率を踏まえて3年目の取組みを変えていく必要があるためです。
今回のコラムでは、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① ＜経営計画＞ 「４．経営方針・目標と今後のプラン」の中の【目標】を取り上げ、採択の可能性を高める書き方のポイントとして、（1）2つの側面から検討する、（2）細分化する、（3）期限を決める、を述べました。次回は前述の通り「4．経営方針・目標と今後のプラン」の中の【今後のプラン】について見て行きます。
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