「顧客ニーズとは何ですか」と問われて、答えに窮する方は意外と多いのではないでしょうか。普段耳にするこの言葉の意味を自社なりに自信をもって答えることができなければ、当然顧客ニーズに沿った経営はできないわけで、事業の衰退に結び付くリスクが高まってしまいます。
また、日々の業務に追われていると「あれが足りない、これが足りない」と内部環境には目が向くものの、自社を取り巻く外部環境には目が向きにくくなるものです。その変化に対応していない事業展開は当然のことながら、発展の余地は小さくなってしまいます。
下図は当補助金申請時に作成する【経営計画】と【補助事業計画】の項目一覧表ですが、今回のコラムでは、下図赤字部分【経営計画】「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方のポイントをご紹介していきます。
1. 採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part4
採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part4(1)2つの大見出しを設ける
当欄のタイトルは「2.顧客ニーズと市場の動向」ですが、これをまとめて記載しようとすると、内容が混在して理解しにくくなってしまいます。そこで「顧客ニーズ」「市場の動向」という見出しを設けることで、内容を切り分けて混在を防ぐことをお勧めします。
実際、採択されている計画書の多くは、当欄に限らず適切な見出しを設け、それに応じた内容を記載しているため、内容が整理されており、読みやすいものです。
採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part4(2)「市場の動向」の下に小見出しを設ける
「顧客ニーズ」「市場の動向」と見出しを設けたら、「市場の動向」の下に小見出しを設けることをお勧めしています。具体的には人口動向や市場規模といったマクロ的な視点からの見出しと競合動向といったミクロ的な視点からの見出しです。
人口動向に関しては、前回までの持続化補助金公募要領に記載のあったRESAS(リーサス)の活用をお勧めしています。これは、各種統計資料を見やすく、分かりやすくしたサイトで、地域の人口構成や将来の人口推移予測が把握できます。
また、市場規模に関してはインターネットで検索をすると、様々な調査機関が公表していますので、それを活用することも一考です。
これらに対して、ミクロ的な視点のひとつである競合動向を当欄に記載しておくことは、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の説得力向上が期待できます。なぜなら、強みは競合より優れている経営資源ですから、比較対象に基づく強みであることを訴求できるからです。
なお、当補助金公募要領「審査の観点」には自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているかという記載があり、記載した強みの適切性を競合動向の記載により、訴求していただきたいと考えます。
採択を目指す方が押さえるべき持続化補助金【経営計画】の書き方Part4(3)言葉の定義をする
「顧客ニーズ」として「顧客の声」を記載されている計画書を散見しますが、弊社では「顧客の声」と「顧客ニーズ」は別物と捉え、後者を「自社を利用することで顧客が達成したい目的」と定義しています。
例えば口紅が欲しい女性は、この直径約1㎝、長さ約5㎝の赤い化合物が欲しいのではなく、口紅を利用することで美しくなるという目的を達成したいはずです。ですが、通常は店頭で「美しくなることをください」とは言わず「口紅をください」と言うはずですから、「口紅が欲しい」という顧客の声を踏まえて「美しくなりたい」という顧客ニーズに着目していくことが必要になります。
そして、その前提として「顧客ニーズ」を定義する必要があり、それに基づいて列挙していくことが、説得力が高まりますし、顧客ニーズに基づいて事業展開も可能になるでしょう。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金に申請する際に記載する【経営計画】「2.顧客ニーズと市場の動向」における書き方のポイントとして、(1)2つの大見出しを設ける、(2)「市場の動向」の下に小見出しを設ける、(3)言葉の定義をする、を挙げました。次回のコラムでは「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方を見ていきますが、当コラムシリーズのバックナンバーは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本