持続化補助金に採択された研修会社が作成した計画書の事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 同社は、全国の顧客企業に研修を提供する会社ですが、ホームページをリニューアルするとともに自社の研修をwebと雑誌広告で訴求しようと考え、小規模事業者持続化補助金に応募したものの、不採択となってしまいました。

 そこで再度応募するにあたり、計画書の内容についてアドバイスを求められた弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同社は採択されました。今回のコラムは、このブラッシュアップのポイントを見ていくシリーズの第5回目です。

 下図は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際の作成資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」について見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年9月3日時点の情報に基づいています。

 また、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。

1.「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方

(1)適切な見出しを設ける

 同社が当欄に記載してきた内容を拝見すると<経営方針>、<課題>、<今後のプラン>という見出しがありました。ですが、当欄のタイトルは「経営方針・目標と今後のプラン」ですから、見出しは【経営方針】、【目標】、【今後のプラン】にしたほうが妥当性は高くなります。

 <課題>を書いてはいけないということではありませんが、「経営方針・目標と今後のプラン」という欄において、【目標】という見出しを省いて<課題>という目標を掲げることは、読み手に違和感を与え、混乱を招いてしまう結果、理解が深まらず、採択が遠のいてしまうリスクが発生するでしょう。

(2)記載するべき内容を記載する

 同社が当欄に記載してきた内容を拝見すると<経営方針>の見出しの下に以下の記載がありました。

 ①弊社の研修はリピート率が○割以上、客単価は平均◎◎円ほどと高いため、1社あたりの顧客開拓費用を●円かけたとしても長期的には利益が出る。

 ②前回、直販にて積極的なDM施策を行った結果、多数の見込み客が開拓でき、△社の契約に結びついた。

 上記①は同社の強みですので、当欄ではなく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に記載するべき内容です。また②は前回の補助事業による効果ですので、<経営計画>の前にある、過去の補助事業者が前回と今回の補助事業の違いを述べる欄に記載するべき内容です。このように<経営方針>という見出しを設けていながら、その内容は見出しにふさわしい内容ではありませんでした。

 役員会議の場にサンタクロースの格好をして出席したとしたら、周囲は違和感を抱きます。その場所にふさわしい服装ではないからです。計画書の各欄に記載する内容も、そこにふさわしい内容を記載しないと、読み手に違和感を与え、混乱を招いてしまう結果、理解が深まらず、採択は遠のいてしまうリスクが発生するでしょう。

(3)【今後のプラン】が補助事業計画になっていないか意識する

 同社は、【今後のプラン】として、今回の補助事業であるwebと雑誌広告をどのように実施するかを記載していました。ですが、補助事業をどのように実施するかといった内容は<補助事業計画>に記載するべき内容です。さらには【今後のプラン】でありながら、時間軸が示されておりませんでした。

 この【今後のプラン】が補助事業計画の内容になってしまっているケース、時間軸がないものになってしまっているケースは、非常に多い印象があります。弊社がお勧めしているのは、人・物・金・情報といった経営資源を充実させる行動を列挙し、3年程度の時間軸の中で、いつ何を行うのかが分かる計画表を作成することです。そして、そのような全体計画の中に含まれる補助事業を<補助事業計画>で詳しく説明していくことになります。

 このようにして同社は、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムでは<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

 弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓

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4.電子書籍のご案内(2021年3月22日発行)

小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本