同社は、全国の顧客企業に研修を提供する会社ですが、ホームページをリニューアルするとともにwebと雑誌を用いて広告をしようと考え、小規模事業者持続化補助金に応募したものの、不採択となってしまいました。
そこで再度応募するにあたり、アドバイスを求められた弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、結果として同社は採択されました。今回のコラムは、このブラッシュアップのポイントを見ていくシリーズの第7回目、最終回です。
下図は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際の作成資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <補助事業計画>「4.補助事業の効果」について見ていきます。
なお、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。
1.「補助事業の効果」の書き方
(1)記載するべき内容を記載するべき場所に記載する
同社が記載されてきた内容は概ね以下となっていました。
- 広告で月○件の契約獲得をすることにより、月●●円ほどの売上増加を目指す。
- 介護事業所向けのスタッフ研修を行うことにより、業界のレベルを向上させ、社会に貢献が出来るようにしたい。
このように補助事業によって「目指すこと」「したいこと」は、補助事業の効果ではなく、目標と捉えられます。当欄に記載するべき内容は、そのタイトルどおり「補助事業の効果」なのですが、同社は「補助事業の目標」という当欄にふさわしくない内容を記載してきたということです。
「障害者と社会を考える」という真面目なテーマの講演に招かれたその道の権威と呼ばれる男性の大学教授が、ビキニの水着で登壇してきたら違和感を覚えるはずです。その違和感は、彼の講演内容に説得力を与えるものにはならないはずです。
その場所やテーマにはふさわしい服装があるように、「補助事業の効果」という欄にふさわしい内容を記載しないと、読み手に違和感を与えてしまい、それは説得力を高めることには繋がりにくくなり、結果として理解が深まらず、採択が遠のいてしまうリスクがあります。
(2)補助事業ごとに効果を記載する
同社が今回補助事業として申請するのは、ホームページのリニューアルとweb・雑誌の広告です。しかし、補助事業の効果欄に記載されていたのは、広告に関する内容のみであり、ホームページのリニューアルに関する内容は記載されていませんでした。また、web広告と雑誌広告を併せた内容となっており、きちんと各広告の効果を検証したとは言えない印象でした。
よって、ホームページのリニューアルによる効果、web広告による効果、雑誌広告による効果と切り分けて記載していただきました。
(3)自社以外の効果も記載する
同社が記載してきた内容は、売上や社会貢献という自社に関する内容のみとなっていました。ですが、補助金という公的資金を使った効果は自社だけに留まらないはずですし、留めておいてはいけないはずです。
よって、自社の効果の他に、顧客に与える効果、地域社会に与える効果を記載していただきました。この考え方は近江商人が大事にしたと言われる、売り手よし・買い手よし・世間よしという「三方よし」の考え方に繋がります。
もともと同社が作成した計画書は、記載するべき欄に記載するべきことを記載していない箇所が多く、また、内容が淡泊な印象を受けました。それを当シリーズでご紹介したポイントを踏まえてブラッシュアップして採択されたわけですが、この2点は不採択時の典型的なパターンですので、留意していただければと思います。
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