同社は住宅を提供する工務店であり、その他に家具や雑貨などの販売にも注力していますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、モデルハウスへの来客数が減少し、業績が低下してしまいました。
そこで、同社は家具や雑貨のネット通販を強化するべく、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達しようと考え、計画書を作成し、申請したところ、無事採択されました。そこで同社が作成した計画書の内容から、採択理由を検証し、採択を引き寄せる計画書のポイントを見ていきます。
下図は当補助金申請時に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、下図の赤枠部分<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年2月7日時点の情報に基づいています。
1. 持続化補助金に採択された工務店の計画書の書き方【新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編】
持続化補助金に採択された工務店の計画書の書き方【新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編】(1)内容を切り分ける
当欄のタイトルは「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」ですので、影響と対策の両方を述べる必要があります。そして、これらをまとめて述べようとすると内容が冗長になりがちで、読み手に伝わりにくくなるリスクが高まってしまうでしょう。
同社の場合【新型コロナウイルス感染症の影響】【既に取り組んでいる対策】と見出しを設け、当欄の内容を2つに切り分けて述べていたことから、内容が読み手に伝わりやすくなっており、このことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
持続化補助金に採択された工務店の計画書の書き方【新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編】(2)影響を数値で述べる
同社は【新型コロナウイルス感染症の影響】について、売上の推移を用いて説明しておりました。具体的には、2020年中旬以降の1年間を3か月ごとに区切り、各期間の売上高がいくらだったのかを表にしてまとめておりました。このように数値を用いて述べることは、影響の大きさが伝わりやすくなります。
なお、さらに良くするにはという観点から付け加えますと、同社は新型コロナウイルス感染症の影響が出始めた期間だけの売上推移を述べていましたが、この影響が出る前の期間についても売上を記載し、コロナ前とコロナ禍でどの程度売上に変化があったのかを訴求すると、より採択が確実になったのではないでしょうか。
持続化補助金に採択された工務店の計画書の書き方【新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編】(3)箇条書きを活用する
文章だけで説明されると、よっぽど文章力が高くない限り、読み手の集中力が徐々に削がれ、理解が進みにくくなってしまう可能性があります。読み手によっては、読み飛ばしてしまうなど雑な読み方になってしまうかもしれません。
そのようなリスクを軽減する方法のひとつに箇条書きの活用があります。同社は【既に取り組んでいる対策】の内容について、箇条書きを用いて読みやすさを高めていました。
なお、さらに良くするにはという観点から付け加えますと、同社は感染防止といったリスク軽減の対策のみを記載していましたが、これに売上拡大や費用削減といった収益向上の対策も記載すると、より採択が確実になったのではないかと感じました。
感染防止といったリスク軽減の対策は、マスク着用や検温実施といった取組みがほとんどですので、他の応募者との差別性の打ち出しが困難になってしまいます。これに対して、収益向上の対策は自社のオリジナリティが打ち出しやすいので、他社との違いを訴求できることになります。
補助金の採択を勝ち取るには、他の応募者よりも計画書の完成度を高める必要があり、そのためにはオリジナリティを盛り込むことも一考です。同社の場合、ネット通販を強化するために、当補助金を申請したわけですから、それを強化するためにどのような準備をしているのかといった観点から記載できたはずです。
今回のコラムでは、同社が記載した<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」から、採択の可能性を高める計画書の書き方として(1)内容を切り分ける、(2)影響を数値で述べる、(3)箇条書きを活用する、を挙げました。
なお、次回は<補助事業計画>「2.補助事業の内容」を見ていきますが、前回のコラムは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本