セミナー講師が登壇冒頭に自己紹介をした場合、その内容が要領を得ないものだったら、本題も要領を得ないものであることは想像に難くありません。同様に、持続化補助金に申請する際に提出した計画書における冒頭の内容が要領を得ないものだった場合、それ以降の内容も要領を得ないものであることも想像に難くありません。
今回見ていく<経営計画>「1.企業概要」は、計画書の冒頭部分ですから、この内容で第一印象が決まりますので、この欄で読み手にネガティブなイメージを与えないように留意したいものです。
今回のコラムでは、持続化補助金に採択され、チラシなどの販促物を作成した小売店の事例①に引き続き、当補助金に採択された婦人服を主力とする雑貨店の事例を取り上げ、同店が「企業概要」に記載された内容をどのように修正して採択レベルに持って行ったかを述べていきます。なお、当コラムの内容は2022年4月20日時点の情報に基づいています。
1. 持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例②[企業概要編]
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例②[企業概要編](1)8枚の計画書を作る
「企業概要」の書き方を見ていく前に、計画書作成の前提を述べますが、当計画書フォーマットの上部には「<経営計画>及び<補助事業計画>(Ⅱ.経費明細表、Ⅲ.資金調達方法を除く)は最大8枚程度までとしてください。」という記載があります。
わざわざ冒頭にそれも赤文字で記載しているということは、この枚数制限は事務局側の強い要望と捉えることができますが、同店が作成した計画書は10枚に及ぶものでした。前提を踏まえない計画書にアドバイスすることは困難でしたので、まず8枚の計画書を作成していただきました。
ちなみに8枚以内であれば何枚でも良いと捉える向きもありますが、1枚や2枚の計画書では内容が薄すぎて、計画書の理解が深まらないものですし、そもそも補助金を活用する意欲を疑われてしまいます。
実際問題として、自社の計画内容を理解していただくためには何枚費やしても足りないというのが実情で、そういう意味では同店が計画書に10枚を費やしたことは理解できます。よって、書いても書いても書き足りない内容をあえて8枚に収めるということですから、計画書は8枚ちょうどで提出することをお勧めしています。
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例②[企業概要編](2)リアリティを高める
計画書の読み手は、同店に縁もゆかりも、そして関心もないケースがほとんどです。そんな読み手を計画書の内容に引き込むには、リアリティが重要と考えています。よって、同店には「企業概要」に店長の写真を盛り込んでいただきました。
企業のホームページに経営者の写真が掲載されている方が、そうでないホームページよりも信頼性が高いという調査結果を2016年にESSPRIDE社が発表していますが、顔の見える計画書は、文章だけの計画書よりもリアリティだけでなく、信頼性も高まると言えるでしょう。
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例②[企業概要編](3)書くべき場所に書く
同店は「企業概要」に経営理念を盛り込んでいました。経営理念は企業の存在意義を示したものであり、経営の根幹をなすものですから、計画書冒頭に記載したいという考えは理解できます。
ですが、後ほど見ていく「4.経営方針・目標と今後のプラン」の「経営方針」は経営理念に則っていることが重要と考えています。そして、そのことを訴求するには経営理念を「1.企業概要」ではなく「4.経営方針・目標と今後のプラン」に記載した方が効果的と考えられ、経営理念は同欄へ移動していただきました。
今回のコラムでは、持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店がどのようにして採択レベルの計画書を作成したのか、そのポイントとして、(1)8枚の計画書を作る、(2)リアリティを高める、(3)書くべき場所に書く、を述べました。
次回も引き続き、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「1.企業概要」を見ていきます。なお、前回のコラムは以下となります。
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