持続化補助金の計画書作成において「自社の現状分析をしてください」と言われて具体的に何を行うべきでしょうか。今回(第8回)以降の持続化補助金を申請する場合に、現状分析に力を入れる必要がある理由は、申請時のルールブック「公募要領」内「審査の観点」に自社の経営状況を適切に把握という文面が追加されたためです。
では、何をもって適切というのかという疑問が湧きますが、当補助金に採択された婦人服メインの雑貨店が<経営計画>「1.企業概要」に記載した自社の現状分析が参考になりますのでご紹介していきます。なお、当コラムの内容は2022年4月22日現在の情報に基づいています。
1. 持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例④[企業概要編]
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例④[企業概要編](1)利益をもたらす商品を把握する
同店は、店頭販売と出張販売を行っていますが、店頭販売分については衣料品・寝具・雑貨といった各カテゴリーの年間売上高と、全体の売上高に占める各カテゴリーの割合である売上高構成比を一覧表にしていました。
これにより、売れ筋商品が何であるかが一目瞭然となっていましたが、利益の分析結果が盛り込まれていませんでした。売れ筋商品が必ずしも利益をもたらしているとは言い切れないわけで、各カテゴリーの年間利益額と、全体の利益額に占める各カテゴリーの割合である利益構成比の一覧表も作成していただきました。
このように自社の現状分析を行うことにより、今後販売に注力するべき商品が明確になることが期待できます。同店はPOSで単品管理を行っていたので、このような分析結果を盛り込むことに大きな手間はかかりませんでした。
ですが、かつて弊社が持続化補助金申請の支援をした飲食店は、POSなどで単品管理を行っておらず、手書き伝票を段ボールで保管しておくような管理をしておりました。そこで、この売れ筋商品を明確にするために、手書き伝票1年分を手作業で集計した結果、同店経営者が売れ筋と思っていた商品が、あまり利益をもたらしていないことが分かりました。
これを踏まえ、同店は利益の出る体質に向けた正しい努力を行うことができていますが、弊社では持続化補助金の申請を機会に自社の正確な売れ筋を把握することをお勧めしています。
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例④[企業概要編](2)複数事業の分析を行う
同店は店頭販売の他に介護施設などに出向いて模擬店を作り、ご高齢の入居者向けに出張販売を行っていました。ですが売れ筋を分析し、その内容を詳しく記載していたのは店頭販売についてのみであり、出張販売に関してはかなりざっくりとした記載内容に留まっていました。
そこで、店頭販売の分析レベルで出張販売の現状分析もしていただきましたが、同店は、店頭販売はPOSを用いた管理をしていたものの、出張販売はそれを行っていなかったことがうかがえました。よって、手間はかかるもののしっかり分析をし、その結果を盛り込んでいただきました。併せて日々の出張販売における業績管理も単品レベルで強化していただきました。
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例④[企業概要編](3)基礎情報を冒頭に盛り込む
同店は、営業時間・定休日・人員構成といった同店の基礎情報を<経営計画>「1.企業概要」欄の最後に盛り込んでいました。ですが、このような基礎情報を踏まえた上で、同店の沿革や売れ筋を読むほうが、読み手の理解は深まりやすいはずです。
基礎的な情報を後に盛り込むと、読み手は同店のイメージを勝手に作り上げながら読み進めがちで、その後に基礎的な情報に行きつくわけですから、自分のイメージと乖離があった場合に、混乱を招くためです。よって、このような基礎情報は冒頭に移動していただきました。
今回のコラムでは、持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店がどのようにして採択レベルの計画書を作成したのか、そのポイントとして、(1)利益をもたらす商品を把握する、(2)複数事業の分析を行う、(3)基礎情報を冒頭に盛り込む、を述べました。
次回のコラムでは、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。
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