持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 新聞の市場規模はここ14年間で3割以上縮小しています。活字離れ・スマートフォンによる情報収集の進展などがその理由とされています。そこで、各家庭に新聞を届ける新聞販売店の統廃合が進む中、今回ご紹介する新聞販売店は、矢継ぎ早に新規事業へ打って出ており、業績を伸張させていました。

 同店は、さらんる新規事業として新聞購読者に対して家電のカタログ販売をすることとし、そのための告知費用と顧客管理システム導入費用を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。

 そのご支援を弊社が行い、無事採択されたわけですが、同店が採択される計画書をどのように作成したのかをご紹介します。今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。

 なお、当コラムでは<補助事業計画>のうち、「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。

1.「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」記入の仕方

(1)「審査の観点」を意識する

 日本商工会議所全国商工会連合会が公表している小規模事業者持続化補助金応募時のルールブックである「公募要領」には、補助金採択審査の際にどのような観点から審査されるのかという「審査の観点」というページがあります。

 その中の下図「加点審査」の部分は、採択に大きな影響を与えますのでしっかりと意識して記載したいのですが、今回の「販路開拓等(生産性向上)の取組内容」で留意したい部分は、2つの赤枠部分です。以下では、この赤枠部分についてどのように記載したのか見ていきます。

(2)具体的に書く

 上図の赤枠部分(1)には「補助事業計画は具体的で」と記載があります。そこで補助金を使って行う事業に関して具体的に書く必要があるわけですが、この際に弊社では、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)行うのかという5W1Hを記載することをお勧めしています。

(3)創意工夫の特徴を書く

 上図の赤枠部分(2)には「創意工夫の特徴があるか」と記載があります。そこで補助金を使って行う事業に関して、この「創意工夫の特徴」を記載するわけですが、自社なりにどのような工夫をしたのかというレベルで記載をしました。

(4)表を活用する

 ここまで見てきた「具体的」「創意工夫の特徴」に関して、文章だけで述べてしまうと読みづらくなってしまい、伝えたいことが伝わりにくくなる可能性があるため表形式でまとめることをお勧めしています。同店の場合はチラシの新聞折込み費用と顧客管理システム導入が補助事業ですが、顧客管理システムを例にとると以下のようにまとめました。

 このようにして「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を記載しましたが、次回は「4.補助事業の効果」を見ていきます。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例①

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例②

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例③

 持続化補助金に採択された新聞販売店の計画書作成事例④

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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