創業60年を迎えるその温泉旅館は、前回の小規模事業者持続化補助金に採択され、問い合わせや予約の増加という成果を得ることができました。そこで、2度目の採択に挑むべく、再度、当該補助金に申請するための計画書を作成しました。
しかし、そうそう簡単に何度も採択されるとは考えにくいため、当社に計画書のブラッシュアップをいかにするべきかとご相談に来られ、結果として採択されました。そこでこの温泉旅館がどのようにして2度目の採択レベルにブラッシュアップしていったのかをお伝えしていきます。
以下は、小規模事業者持続化補助金へ応募する際の一般的な提出書類ですが、今回は下図赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<応募者の概要>について見ていきます。
1.<応募者の概要>の書き方
(1)記入ミスのリスクを理解しておく
上図で示した小規模事業者持続化補助金の応募書類は、基礎審査でこれらの書類が全て提出されているか、また、応募者が小規模事業者に該当するかなど、文字通り基礎的な内容が審査されます。
この基礎審査は多くの事業者が通過するわけですが、次の加点審査でふるいに掛けられます。この加点審査の際に真っ先に見られるのがこの<応募者の概要>です。よって、当欄で第一印象が決まると言え、<応募者の概要>を書く際は、記入ミスは許されないという認識が必要です。
当欄に記入漏れや誤字脱字があると、マイナスの第一印象を与えてしまい、その後の内容にネガティブな影響を及ぼすリスクがあるということです。
(2)記入ミスが多い箇所を把握しておく
弊社がこれまで数百に及ぶ事業者の<応募者の概要>を見てきた中で、ミスの多かった箇所は以下の通りです。
それぞれの詳しい説明は、小規模事業者持続化補助金<応募者の概要>で損をしないためにをご参考にしてください。
同旅館の場合は、(2)のフリガナと(3)の法人番号の記入がなされておらず、両項目を埋めていただきました。
(3)前回と今回の違いを明確にする
多くの事業者に広く当補助金を使っていただくために、過去に採択経験のある事業所は、審査が不利になる前提になっているはずです。しかし、前回と今回の違いを明確に述べることができれば、話は違ってくるでしょう。
よって、<応募者の概要>の下図赤枠部分に前回と今回の違いを明確に述べる必要があります。
同欄に記載されてきた内容は、概ね以下のものとなっていました。
①前回は、ホームページのリニューアルを行い、問い合わせや予約が増加し、売上に貢献しています。
②今回は、スマホに慣れていない高齢層に訴求のためのパンフレットの改良により、集客を図り、経営の安定化を実現していきます。
当欄には、「それぞれ該当する回の補助事業での販路開拓先、販路開拓方法、成果を記載した上で、今回の補助事業との違いを記載してください。」とありますので、以下の表を活用していただきました。
これにより、前述の①では「販路開拓先」が、②では見込んでいる「成果」がそれぞれ不明確であることが分かったため、それらを記載していただきました。
このようにして<応募者の概要>をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムでは<経営計画>内の「1.企業概要」を見ていきます。
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