創業60年を迎えるその温泉旅館は、前回の小規模事業者持続化補助金に採択され、問い合わせや予約の増加という成果を得ることができました。そこで2度目の採択に挑むべく、再度当該補助金に申請するための計画書を作成しました。
しかし、そうそう簡単に何度も採択されるとは考えにくいため、当社に計画書のブラッシュアップをいかにするべきかとご相談され、結果として採択されました。そこでこの温泉旅館がどのようにして2度目の採択をされるレベルにブラッシュアップしていったのかをお伝えしていきます。
以下は、小規模事業者持続化補助金へ応募する際の一般的な提出書類ですが、今回は下図赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>内の「2.顧客ニーズと市場の動向」について見ていきます。
1.「顧客ニーズと市場の動向」の書き方
(1)ヌケモレがないか意識して書く
同館が事前に記載されてきた内容は【高齢者のインターネット利用状況】と【都道府県別宿泊者数の推移】という市場の動向に関する内容のみでした。当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですから、市場の動向だけでなく顧客ニーズも記載する必要があるので、追記していただきました。
なお、「顧客ニーズ」を弊社では「当社を利用して顧客が達成したい目的」と定義していますが、言葉を定義してそれに則った内容を記載する必要があります。
(2)補助事業との関連性を意識して書く
同館の補助事業はパンフレットの作成なので、これを踏まえた市場動向を記載する必要があります。前述の通り、同館は市場動向として【高齢者のインターネット利用状況】と【都道府県別宿泊者数の推移】を取り上げています。気になったのは、なぜ【高齢者のインターネット利用状況】を取り上げたのかが、ぱっと見で理解できないということです。
高齢者はインターネットの活用割合が低いので、パンフレットで高齢者を集客したいという考えがあって記載したとのことですが、ターゲットが高齢者であれば【高齢者の旅館利用者数の推移】といった市場動向を用いた方が読み手の納得感は高まるでしょう。
(3)書くべきことを書く
同館は【高齢者のインターネット利用状況】を市場動向として記載したことに、やはり違和感を抱いていました。そこで、読み手にそれを記載したことを納得していただくために、補助事業であるパンフレットの作成がなぜ必要であるのかを、同館の課題として記載していました。
繰り返しになりますが当欄は「顧客ニーズと市場の動向」を書く欄であり、応募者の課題を書く欄ではありません。では、なぜそれを記載してしまったかというと、市場動向で取り上げたデータに無理があったからです。
応募者は、補助金が欲しいので計画書を書くわけですが、採択されなければ補助金はもらえません。よって、採択されるためには計画書に読み手が納得できるデータを用い、不要な記述は盛り込まず、小学5年生でもわかる内容にする必要があります。
これらを踏まえて「2.顧客ニーズと市場の動向」をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムではこれに続く「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。
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