同院は、関東圏内に立地する接骨院ですが、リラクゼーションサロンやマッサージ店の進出などにより、業況は厳しくなりつつありました。そこで、美容やリラクゼーションなどを提供できる機械設備を導入しようと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達しようと、応募用の計画書を作成しました。
弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同院は採択されました。今回のコラムは、同院が作成した持続化補助金応募用の計画書をどのようにブラッシュアップしたのか、そのポイントを見ていくシリーズの3回目です。
下図は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回は赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」をどのようにブラッシュアップしていったかを見ていきます。
なお、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。
1.「顧客ニーズと市場の動向」の書き方
同院が事前に記載されてきた内容を拝見すると、当欄のタイトルをもとに【顧客ニーズ】【市場の動向】という見出しを設けていました。このように、タイトルに基づいた見出しの設け方は、論点がブレにくく、読み手の理解を促進させる効果が見込め、非常に良いと思いました。その上で、以下のポイントを踏まえてブラッシュアップをしていきました。
(1)顧客ニーズを定義する
同院が記載してきた【顧客ニーズ】の内容は、「近年の健康志向に基づき、容姿や心の癒しにも意識が向きはじめている」といったものでした。弊社では、顧客ニーズを「自社を利用することによって達成したい顧客の目的」と定義していますが、この定義に照らし合わせた場合、あまりにも抽象的すぎる印象を持ちました。
そこで日々、患者と接する中で、患者は同院を利用することによってどのようなことを達成したいと考えているのかを検討していただき、内容を列挙していただきました。
(2)分量を意識する
同院が記載してきた【顧客ニーズ】のボリュームは3行でしたが、これに対して【市場の動向】のボリュームは3ページに及ぶものでした。これでは読み手に対して、いびつな印象を与えてしまいます。
そこで【顧客ニーズ】に関しては、上記の考え方に加えて、「Quality (品質)」「Cost(費用、価格)」「Delivery(納期)」というQCDの観点を用いて洗い出して、ボリュームを増やしていただきました。
次に【市場動向】ですが、「接骨院及び針灸院の増加数」「国民医療費と国内総生産(GDP)に占める割合」「接骨院の潜在需要」「商圏人口」「競合動向」という見出しの下にそれぞれの内容が記載されていましたが、余りにもボリュームが多い印象でした。そこで、「商圏人口」「競合動向」のみを残していただき、それ以外は削除していただきました。
なお、「商圏人口」を残した理由ですが、公募要領の62ページには以下の記載があります。
つまり事務局側としては、このRESASの活用をお勧めしており、これによって解ることの一つに商圏人口があるためというのが「商圏人口」を残した理由です。
また、「競合動向」を残した理由ですが、今回見ている「2.顧客ニーズと市場の動向」の次に「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」という欄があります。ここに書く強みは、競合と比較して優れている必要があるわけで、そのためには、競合動向を把握する必要があるためです。
このようにして同院は、前回のコラムの内容に引き続き、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画> 「2,顧客ニーズと市場の動向」のブラッシュアップをしました。次回はこれに続く「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本