同院は、関東圏内に立地する接骨院ですが、リラクゼーションサロンやマッサージ店の進出などにより、業況は厳しくなりつつありました。そこで、美容やリラクゼーションなどを提供できる機械設備を導入しようと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達するために、応募用の計画書を作成しました。
弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同院は採択されました。今回のコラムは、同院が作成した持続化補助金応募用の計画書をどのようにブラッシュアップしたのか、そのポイントを見ていくシリーズの5回目です。
下図は、小規模事業者持続化補助金<一般型>へ応募する際に作成する資料ですが、今回は赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」をどのようにブラッシュアップしていったかを見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年8月24日時点の情報に基づいています。
また、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。
1.「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方
同院が事前に記載されてきた内容を拝見すると、当欄のタイトルをもとに【経営方針】【目標】【今後のプラン】という見出しを設けていました。このように、タイトルに基づいて見出しをつけることは、論点がブレにくくなるため、非常に良いと思いました。その上で、以下のポイントを踏まえてブラッシュアップをしていきました。
(1)【経営方針】が【目標】になっていないか検討する
同院は【経営方針】として「○○を提供し、●●を伝えたい。そのために以下の計画を実行する。」と記載していましたが、この「○○を提供し、●●を伝えたい」ことは【経営方針】ではなく、達成したい目標に見受けられます。
【経営方針】は、目標達成のためにどのような方向性で事業を展開させるのかということであり、例えば目標5,000万円を達成するために、客単価を向上させる方針でいくのか、外部の労働力を活用する方針でいくのか、といったことになりますので、同院には【経営方針】を見直していただきました。
(2)【今後のプラン】が補助事業計画になっていないか検討する
同院の【今後のプラン】は、美容やリラクゼーションを提供するための機械装置をどのように導入し、どのように事業展開するのかという内容でしたが、これは<補助事業計画>の内容です。
弊社では【今後のプラン】は、補助事業を含めた自社全体の計画と解釈していますので、同院には3年間の時間軸をとっていただき、人・物・金・情報という経営資源を充実させるための行動を洗い出していただきました。そして、その行動を、いつ起こすのかという観点から【今後のプラン】を記載していただきました。
(3)記載するべきところに記載する
同院の【今後のプラン】には、「女性が容姿において意識する部位」「企業におけるストレス対策の現状」といった<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載するべき内容や、「補助事業で見込むことができる顧客数と売上」といった<補助事業計画>「4.補助事業の効果」に記載するべき内容が盛り込まれていました。
ニット帽に手袋着用で、もこもこセーターという出で立ちの美女が、真夏にカンカン照りの海辺を歩いていたら、周囲は違和感を抱くはずです。真夏の海辺にはそれにふさわしい服装があるはずだからです。
同様に【今後のプラン】という見出しの下に書くべきことは、その見出しにふさわしい内容でないと読み手は違和感を抱き、内容の理解が進まない恐れがあります。それは採択の可能性を低くしてしまうリスクに繋がりますので、留意したいところです。
このようにして同院は、前回のコラムの内容に引き続き、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」のブラッシュアップをしました。次回はこれに続く<補助事業計画>「2.販路開拓等の取組内容」について見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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4.電子書籍のご案内(2021年3月22日発行)
小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本