2022年3月に経済産業省は「持続化補助金令和3年度補正予算の概要」で、今後公募が始まる小規模事業者持続化補助金の枠組みを明らかにしました。今回のコラムからは、当該資料に基づき、今後の小規模事業者持続化補助金がどのような仕組みになっていくのかをご紹介していきます。
1.小規模事業者持続化補助金令和3年度補正予算の概要Part1
小規模事業者持続化補助金令和3年度補正予算の概要Part1(1)低感染リスク型ビジネス枠が廃止(後継の補助金が発足する情報あり)
これまで小規模事業者持続化補助金は「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」がありました。どちらも小規模事業者が対象ですが「一般型」は、販路開拓などに要する費用の3分の2、上限50万円が補助されました。つまり、補助上限額を狙うなら、75万円以上を販路開拓などに使用する計画が必要となります。
これに対して「低感染リスク型ビジネス枠」は、販路開拓などに要する費用が対人接触機会の減少に効果を発揮する場合に補助率4分の3、上限100万円が補助されましたが、今回発表された「持続化補助金令和3年度補正予算の概要」では「低感染リスク型ビジネス枠」の掲載がありません。ただし、後継の補助金制度が発足されるという情報もあり、今後の情報に対する感度を上げておきたいところです。
そして「成長・分配強化枠」「新陳代謝枠」「インボイス枠」が創設されましたが、以降で「成長・分配強化枠」を見ていきます。
小規模事業者持続化補助金令和3年度補正予算の概要Part1(2)賃金引上げ枠が創設
前述の「成長・分配強化枠」は「賃金引上げ枠」と「卒業枠」に分かれることになっています。このうち「賃金引上げ枠」は、販路開拓などの取組みに加え、賃金引上げに取組む小規模事業者が対象となり、補助率3分の2、上限200万円が補助される仕組みとなっています。
つまり、補助上限額を狙うなら300万円以上の補助対象経費を要する計画が必要となるわけですが、「賃金引上げ枠」において、赤字事業者の場合は補助率が4分の3に引き上がりますので、267万円以上の対象経費を要する計画が必要となります。
この補助対象経費に人件費は含まれず、販路開拓などで成果を上げ、これを賃金の引上げに使っていく取組みが求められると考えられます。なお、「賃金引上げ枠」は、当該小規模事業者の事業場内で働く方の中で、一番低い賃金が地域別最低賃金より30円以上である必要があります。
小規模事業者持続化補助金令和3年度補正予算の概要Part1(3)卒業枠が創設
繰り返しになりますが「成長・分配強化枠」は「賃金引上げ枠」と「卒業枠」に分かれます。このうち「卒業枠」は、販路開拓などの取組みに加え、雇用の増加に取組む小規模事業者が対象となり、「賃金引上げ枠」同様、補助率3分の2、上限200万円が補助される仕組みとなっています。
つまり、「賃金引上げ枠」同様、補助上限額を狙うなら300万円以上の補助対象経費を要する計画が必要となるわけですが、赤字事業者の場合は、補助率が4分の3に引き上がるという「賃金引上げ枠」にある特例要件は盛り込まれておりません。
そして、やはり補助対象経費に人件費は含まれず、販路開拓などで成果を上げ、これを雇用の増加に使っていき、小規模事業者を「卒業」する計画の事業者が対象になると考えられます。
ちなみに小規模事業者か否かの判断は、以下の常時雇用する従業員数(経営者、パート、アルバイト除く)で決まることとなっていますが、「卒業枠」の活用により、雇用を増加させて以下の従業員規模を超える必要があります。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業、製造業その他 20人以下
また、これまでの補助金と同様に、採択後の補助事業実施により、業績が向上したにもかかわらず、賃金引上げや雇用増加が実現されていない場合は、補助金の返還が求められるでしょう。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金令和3年度補正予算の概要として、(1)低感染リスク型ビジネス枠が廃止、(2)賃金引上げ枠が創設、(3)卒業枠が創設、を挙げました。
次回のコラムでも同資料の解説をしていきますが、早めに補助金の情報をとって、早めの準備をすることが採択の可能性を高めますので、参考にしていただければと思います。
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