同店は、焼き魚を主力メニューとする飲食店です。新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が半減してしまったため、店内飲食の他に自店の焼き魚をインターネット通販で提供しようと考えました。そして、この費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達するために計画書を作成し、無事採択されました。
当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきます。以下は、当補助金に応募する際に作成しなければならない「様式1」の構成ですが、今回は赤枠部分<経営計画>「1.自社の事業概要」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年11月13日時点の情報に基づいています。
1.持続化補助金【低感染リスク型】採択の可能性を高める「自社の事業概要」の書き方
(1)求められていることを記載する
今回見ていく「1.自社の事業概要」欄には以下の但し書きがあります。
※自社の概要や経営状況、課題、特徴、自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容や市場動向等について記載してください。また、自社の経営方針・目標等についても記載してください。
よって、この但し書きの内容を記載することが求められていると解釈できます。同店は、「事業概要」「経営状況」「課題」「特徴」「提供している商品・サービス」「市場動向・顧客ニーズ」「経営方針」「目標」という見出しを設けて、求められていることをモレなく記載したことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
(2)ビジュアルに訴求する
同店は「事業概要」で店舗立地が分かる地図や店舗の写真を、「経営状況」で売上の一覧表を、「提供している商品・サービス」で自店が提供している料理の写真を盛り込んでいました。
このように図表を用いてビジュアルに訴求しながら文章で説明することは、読みやすさが向上するとともに、内容の理解も深まりやすくなり、このことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
(3)補助事業で活用する強みを記載する
同店は「特徴」という見出しの下に、自店の強みを記載しておりましたが、美味しく仕上がる魚の焼き方に関するノウハウや、美味しい魚を仕入れることのできる目利き力などの強みは、補助事業内容のネット通販で提供する商品の品質が高いことに繋がることになります。
補助金を使って自店の強みを活かした商品をより多くの方に提供することは、自店の弱みを克服するためという補助金の使い方と比較すると、事業拡大の可能性をより感じさせます。このように、補助事業で活用する強みを記載したことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された飲食店の<経営計画>「1.事業概要」から採択の可能性を向上させるポイントとして、(1)求められていることを記載する、(2)ビジュアルに訴求する、(3)補助事業で活用する強みを記載する、を挙げました。次回のコラムでは同じく<経営計画>内の「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」を見ていきます。
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