持続化補助金【低感染リスク型】でネット通販を開始した飲食店の事例②

小規模事業者持続化補助金

 同店は、焼き魚を主力メニューとする飲食店ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が半減してしまいました。そこで店内飲食の他に、自店の焼き魚をインターネット通販で提供するための費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達するために計画書を作成し、無事採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきます。以下は、当補助金に応募する際に作成する「様式1」の構成ですが、今回は赤枠部分<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年11月14日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金【低感染リスク型】採択の可能性を高める「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」の書き方

(1)「影響」と「対策」に分ける

 当欄のタイトルは「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」ですが、これらをまとめて記載しようとすると、内容が冗長になりがちで読み手に伝わりにくくなるリスクがあります。

 そこで同店は【新型コロナウイルス感染症の影響】【既に取り組んでいる対策】と2つの見出しを設け、「影響」と「対策」を別々に記載しておりました。このように読みやすく整理された内容を記載したことが、採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(2)「影響」を定量的に述べる

 当補助金を申請する事業者の多くは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、業績が低下したという影響を被ったはずです。よって、そのことを【新型コロナウイルス感染症の影響】として記載するわけですが、業績と言っても売上高や利益など様々な指標があります。

 同店の場合、売上高について数値を用い、コロナ前と後で比較ができるように一覧表を盛り込んでおりました。これにより、どの程度売上高が低下したのか影響の大きさが把握できるわけで、このことも同店が採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(3)2種類の「対策」を述べる

 同店は【既に取り組んでいる対策】という見出しの下に、三密の回避や衛生状態の高度化など、「感染者を出さないための対策」だけを記載しておりました。ですが、売上高が落ちたという影響があったわけですから、業績回復のためにどのような対策を行っているのかという観点からの記載もあれば、より採択は盤石なものとなった印象があります。

 例えば、同店はネット通販に進出するために当補助金を活用するわけですが、その準備・検討作業は十分に「業績回復のための対策」になり得ます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された飲食店の<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」から採択の可能性を向上させるポイントとして、(1)「影響」と「対策」に分ける、(2)「影響」を定量的に述べる、(3)2種類の「対策」を述べる、を挙げました。次回のコラムでは<補助事業計画>内の「2.補助事業の内容」を見ていきます。

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