同社は、お米や農薬・肥料の販売を主たる事業としていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて発出された緊急事態宣言により、飲食店が営業を自粛した結果、お米が売れなくなり、業績が低下してしまいました。
そこで、地元の一般消費者へ対する販売を強化するべく、お米の自動販売機を導入することとしましたが、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達するために計画書を作成し、応募した結果、無事採択されました。
当コラムでは、同社が作成した計画書の内容から、なぜ採択されたのか、想定される理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきますが、今回は持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】米穀販売業の採択事例③に引き続き、<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を取り上げます。なお、当コラムの内容は2021年10月18日時点の情報に基づいています。
1.採択の可能性を高める「補助事業の効果」の書き方
当補助金における計画書フォーマットはこちらのページからダウンロードして、これに上書きをして計画を作成するわけですが、当フォーマットの<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を見ると以下の但し書きがあります。
補助事業の実施により、自社の経営に与える効果について記載してください。
補助金を使った効果は取引先や地域社会など多方面に及ぶものの、この但し書きからうかがえることは、自社に対する効果を記載することが求められているということです。これを踏まえて、同社は以下3つのポイントをおさえて効果を記載していました。
(1)定量的な効果を記載する
同社は、売上高や利益など数値で表すことができる定量的な効果を記載していました。単に「売上が上がる」「利益が増える」と記載するのではなく、このように数値で示すことにより、効果の大きさを理解することが可能になります。さらに同社は、当補助事業で見込むことの出来る売上高の根拠として客数と客単価を示して、より効果の説得力を高めていました。
(2)将来的な効果を記載する
同社は補助事業実施年度の効果だけでなく、2年後、3年後の効果も記載していました。このように、将来にわたって効果が継続することを盛り込むことは、将来に視点が向いている証拠であり、中長期的な視点で補助事業を展開させる意図を汲み取ることができます。
そしてこのことは、補助金をより有効活用していただける可能性を感じさせるわけで、採択の可能性を高めたと考えられます。
(3)複数の効果を記載する
同社は、前述の定量的効果だけでなく、数値で示すことが困難な定性的効果も記載していました。効果は小さいよりも大きい方が良いわけですが、さらには少ないよりも多い方が良いわけで、説得力のある効果であれば、可能な限り多くを述べることが望ましいと言えます。この際に「定量/定性」という切り口を使うことは、より多くの効果を見出すことが可能と言えるでしょう。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された米穀販売業の<補助事業計画>「3.補助事業の効果」の書き方として、 (1)定量的な効果を記載する、(2)将来的な効果を記載する、(3)複数の効果を記載する、を挙げました。
これまで5回にわたり同社が採択された理由を検討し、採択される計画書の書き方を見てきました。同社の場合、補助金の目的を正確に把握し、求められていることを記載している点が採択の大きな要因になったと感じています。これから採択を目指す方の参考になれば幸甚です。
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