同店は創業45年を超えた食品スーパーであり、かつては道路を挟んで2店舗を展開していましたが、今は片方の店舗は空き店舗となっており、もう片方の店舗だけで事業展開をしています。数年前よりチェーン展開する複数の大型スーパーが近隣に出店するようになり、業績は厳しい状況になっていました。
そこで、現状を打破するために(1)空き店舗の改修、(2)看板作成・設置、(3)チラシの作成と新聞折込み、(4)通信販売用ホームページの作成をすることにし、その費用の一部について小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。
弊社はその際に応募用の計画書を作成するご支援を行い、結果として同店は当補助金に採択されましたが、どのように計画書を作成したのかをご紹介します。下図は応募時に作成しなければならない書類ですが、今回のコラムでは以下の赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」をどのように記載したのかを見ていきます。
1.「顧客ニーズと市場の動向」の書き方
(1)構成を決める
繰り返しになりますが、当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」です。これをまとめて記載しようとすると、伝わりにくくなってしまいますので、「顧客ニーズ」、「市場の動向」と見出しを設定していただき、これらに基づいて内容を記載していきました。
(2)「顧客ニーズ」と補助事業の関連を意識する
補助金の財源は税金ですので、補助金を使って収益性を向上させ、より多くの納税が期待できる計画を作成した事業者の採択される可能性は高いものになります。よって、補助金の使い方が顧客ニーズに応えることができないものであれば、業績の向上に対する期待は小さなものになってしまいますので、補助金でそのニーズに今以上に応えていくというストーリーが重要です。
同店の場合、空き店舗の改修がメインの事業となっており、それにより顧客が持つ、イートインや顧客同士の交流といったニーズに応えていくわけですから、そのようなニーズを中心に記載をしました。
(3)RESASを活用する
市場の動向といった外部環境を分析する際に活用をお勧めしているのは、ビッグデータを用いて自治体別の人口動向推移と予想状況が分かるRESASというサイトです。同店の商圏は3つの自治体にまたがっておりましたので、それら3つの自治体における総人口の現状と今後の見込みについて記載をしました。
(4)競合動向を盛り込む
今回見ている「2.顧客ニーズと市場の動向」の次に記載するのは「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」ですが、この「強み」は差別的優位性のある経営資源ですから、どこと比較して差別的優位性があるのかが明確になっていると説得力が向上します。
よって、「2.顧客ニーズと市場の動向」の「市場の動向」として競合に関する記述を盛り込むことが、正しい強みを認識できることに繋がります。同店の場合は、競合店の店名・住所・URL・特徴を一覧表にして盛り込みました。
このようにして「2.顧客ニーズと市場の動向」を記載しましたが、次回のコラムではこれに続く「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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