同店は創業3年目を迎えたスナックです。経営者であるママとその娘の2名で切り盛りしており、会席料理を提供するなど比較的高級路線で運営していましたが、新型コロナウイルスの感染が広がり、営業時間を短くしたり、営業自体を自粛したりした結果、売上が8割以上減少してしまいました。
そこで、現状を打破するために（1）ホームページの新規立ち上げ、（2）チラシの作成・折込の実施、（3）web広告を行うこととし、その費用の一部について小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。
弊社はその際に応募用の計画書を作成するご支援を行い、結果として同店は当補助金に採択されましたが、どのように計画書を作成したのかをご紹介します。
下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは以下の赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①＜経営計画＞「2．顧客ニーズと市場の動向」をどのように記載したのかを見ていきます。
1．「顧客ニーズと市場の動向」の書き方
（1）内容を切り分ける
当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですが、ここに記載する内容をより分かりやすくするために、「顧客ニーズ」「市場の動向」という見出しを設けました。そして、それぞれの見出しに応じた内容を記載していきました。
当欄を切り分けずに「顧客ニーズと市場の動向」として、まとめて書こうとすると内容が混在し、冗長となるリスクが高まります。結果として読み手に伝わりにくくなり、採択が遠のいてしまうため、このように切り分けすることをお勧めしています。
（2）業界全体の動向を記載する
同店の場合、「市場の動向」として業界全体の動向を記載しましたが、外食産業全体の動向では捉え方が広すぎる印象を受けました。そこで、外食産業全体の月間売上高同年比を調べたうえで、お酒がメインとなる「パブレストラン／居酒屋」における直近1年間分の月間売上高同年比を記載しました。
このような外部環境に関する情報はインターネットで検索すれば見出すことができます。また、同店はスペースの都合上、使用しませんでしたが、ビッグデータを用いて商圏人口動向が把握できるRESASの活用もお勧めしています。
（3）競合の動向を記載する
今回見ている「2．顧客ニーズと市場の動向」の次には「3．自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を記載します。この「強み」は競合と比較した差別的優位性になりますので、競合がどこであり、どんな特徴を持っているのかは最低限、把握しておく必要があります。
同店の場合は、近隣に立地する同業店の「店名」「住所」「同店からの徒歩所要時間」「特徴」を一覧表にして盛り込みました。
このようにして「2．顧客ニーズと市場の動向」を記載しましたが、次回は前述した「3．自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。
2．小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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4．電子書籍のご案内（（2021年3月22日発行）
小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本