小規模事業者持続化補助金の採択ポイント:スナックの事例④

小規模事業者持続化補助金

 同店は創業3年目を迎えたスナックです。経営者であるママとその娘の2名で切り盛りしており、会席料理を提供するなど比較的高級路線で運営していましたが、新型コロナウイルスの感染が広がり、営業時間を短くしたり、営業自体を自粛したりした結果、売上が8割以上減少してしまいました。

 そこで、現状を打破するために(1)ホームページの新規立ち上げ、(2)チラシの作成・折込の実施、(3)web広告を行うこととし、その費用の一部について小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。

 弊社はその際に応募用の計画書を作成するご支援を行い、結果として同店は当補助金に採択されましたが、どのように計画書を作成したのかをご紹介します。

 下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは以下の赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」をどのように記載したのかを見ていきます。

1.「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方

(1)3つに切り分ける

 繰り返しになりますが、同欄のタイトルは「経営方針・目標と今後のプラン」です。よって同店では当欄に「経営方針」「目標」「今後のプラン」という見出しを設け、それぞれ切り分けて記載をしました。

 これを切り分けずにタイトル通り「経営方針・目標と今後のプラン」としてまとめて書こうとすると、文章が冗長になりがちです。結果として読み手が理解しにくくなり、採択が遠のくリスクが高まってしまいます。

(2)「今後のプラン」は時間軸を意識する

 「経営方針」「目標」「今後のプラン」をそれぞれ記載する中で気を付けたいのは「今後のプラン」です。往々にして補助事業をどう進めるかという補助事業計画になってしまうケースが多いのですが、その補助事業も含めた自社の全体計画が「今後のプラン」となります。

 「プラン」ですから当然時間軸を意識する必要があります。よって、縦軸に行動を、横軸に時間をとった表を作成しました。同店では、下図のように時間軸を3年間で設定しましたが、各年は3か月を1単位とした4半期に分割しました。

(3)「今後のプラン」で行動を設定する

 上図の縦軸には3年間で起こす予定の行動を記載しましたが、何となく思いつくままに行動を記載するのはまとまりがなく、また起こすべき行動にヌケモレが発生してしまうリスクもあります。

 同店の場合は、人・物・金・情報の経営資源それぞれを拡充させるための行動は何か、という観点から、下図のように3年間で起こす予定の行動を列挙しました。

 その上で、いつ、どの行動を起こすのかが分かるように、表内に印を入れ「今後のプラン」としました。このようにして「4.経営方針・目標と今後のプラン」を記載しましたが、次回はこれに続く<補助事業計画>を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

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