その経営者は、ご自身のお子様が1歳の誕生日を迎えた際に、スタジオで撮っていただいたその写真に感動し、自身も多くの方へその感動を与えたいという動機から、写真スタジオの運営を開始しました。
写真スタジオ業界は、大手企業も参入しており、競争が激しいわけですが、その経営者は小規模事業者持続化補助金を活用して、温めていた新サービスを展開することにしました。
そこで経営者ご自身で、当該補助金に申請する計画書を作成しましたが、当社にブラッシュアップのご相談に来られ、結果として採択されました。そこで、同店がどのようにして採択レベルにブラッシュアップしたのかをお伝えしていきます。
以下は、小規模事業者持続化補助金へ応募する際の一般的な提出書類ですが、今回は下図赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。なお、当項ラムの内容は2020年12月1日現在の情報に基づいています。
1.持続化補助金に採択された写真スタジオの計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方
持続化補助金に採択された写真スタジオの計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方(1)書くべきことを書く
同店は当欄に強みと思われることを列挙していましたが、「弱み」という項目も設け、それについても記載していました。
当欄は「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を書く欄であり、「弱み」の記載は求められておりません。この「弱み」を記載したくなる理由は、「弱み」を克服するために補助金を使いたいため、その説明が必要と考えるためではないでしょうか。
小規模事業者持続化補助金に「弱み」を記入する欄がなく、その反面、当欄のように「強み」を書く欄があるのは、強みを強化するために補助金を使っていただきたいという行政の意思が表れていると解釈できます。よって、弱みの記載は不要と考えており、強みを活かす方向で事業自体を再検討し、弱みの記載は削除していただきました。
持続化補助金に採択された写真スタジオの計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方(2)全体を2つに切り分ける
繰り返しになりますが、当欄は「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を書く欄です。よって、タイトルを素直に受け取れば、当欄には【自社の強み】【自社の提供する商品・サービス】という2つの見出しが設けられます。
【自社の強み】は経営資源の観点から述べ、【自社の提供する商品・サービスの強み】に関しては、写真スタジオとして提供する写真やサービスの観点から述べることになります。どちらにせよ、顧客に価値を与えることのできる差別的優位性をもった経営資源であることは言うまでもありません。
持続化補助金に採択された写真スタジオの計画書作成事例「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方(3)「自社の強み」はさらに切り分けをする
前述のように「強み」とは経営資源を指し、人・物・金・情報に細分化されます。よって、【自社の強み】は、この4つの経営資源の観点から検討していただきました。具体的には、以下の観点から強みを洗い出します。
「人的資源」の強み:経営者・スタッフのスキルや経歴、保有する資格など
「物的資源」の強み:店舗の立地、設備、什器など
「財務的資源」の強み:借金や支払遅延が無いこと、内部留保の多さなど
「情報的資源」の強み:受発信している情報、蓄積されたノウハウなど
【自社の提供する商品】は物的資源ですが、【自社の強み】の他に【自社の提供する商品・サービスの強み】を記載しますので、【自社の強み】には商品の強みは記載せず、【自社の提供する商品・サービスの強み】として別に記載することをお勧めしています。
今回のコラムでは「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」をブラッシュアップしたポイントとして、(1)書くべきことを書く、(2)全体を2つに切り分ける、(3)「自社の強み」はさらに切り分けをする、を述べました。
次回のコラムではこれに続く「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきますが、今回の事例を採り上げたこれまでのコラムは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします。
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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本