その経営者は、ご自身のお子様が1歳の誕生日を迎えた際に、スタジオで撮っていただいたその写真に感動し、自身も多くの方へその感動を与えたいという動機から、写真スタジオの運営を開始しました。
写真スタジオ業界は、大手企業も参入しており、競争が激しいわけですが、その経営者は小規模事業者持続化補助金を活用して、温めていた新サービスを展開することにしました。
そこで経営者ご自身で、当該補助金に申請する計画書を作成しましたが、当社にブラッシュアップのご相談に来られ、結果として採択されました。そこで、同店がどのようにして採択レベルにブラッシュアップしたのかをお伝えしていきます。
以下は、小規模事業者持続化補助金へ応募する際の一般的な提出書類ですが、今回は下図赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」について見ていきます。
なお、当コラムでは<補助事業計画>のうち、「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから解説を割愛しています。
1.「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の書き方
(1)端的に書く
当欄は、補助金を使った事業、つまり補助事業の内容を書く欄です。よって、何に補助金を使うのかという結論をまず述べる必要があります。同店は新たな撮影プランを市場投入したいため、そのパンフレットを作りたいという意向がありました。
つまり、パンフレットの作成が補助事業ということなのですが、事前に書かれてきた内容の多くが、新たな撮影プランの魅力を訴求する内容でした。読み手としては、では何が補助事業なのかと疑念を抱きながら読み進めることになりますので、まずは何に補助金を使うのかを端的に記載していただきました。
(2)5W1Hの観点から書く
同店はパンフレットの配布先、配布部数を一覧にして記載しておりました。これを盛り込むこと自体は具体的な使用方法が分かるので非常に良いのですが、配布先がイベント、交流会、撮影会となっており、同店とそれらの関係が読み取れません。
これらイベントの主催者は誰で、いつ、どのように実施されるのかという具体性が必要です。そこで、パンフレット作成と配布を切り分けていただき、それぞれについて、いつ実施するのか(When)、どこで実施するのか(Where)、だれが実施するのか(Who)、なにを実施するのか(What)、なぜ実施するのか(Why)、どのように実施するのか(How)と5W1Hを明確にしていただきました。
(3)不要かどうか判断して書く
同店は、新たに市場投入する撮影プランのキャンペーンについて、その内容を盛り込んでおりました。ですが、そのキャンペーンに補助金を使わないようであれば、それは補助事業にはなり得ません。
つまり当欄に記載する必要性は低いということですので、削除していただきました。小規模事業者持続化補助金「一般型」は2020年2月5日締切り分より、計画書の枚数は8枚までというルールができました。今後は端的にまとめることがより強く求められてきますので、記載するべきか否かの判断が必要になってきます。
このようにして、「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」をブラッシュアップしていただきました。次回のコラムではこれに続く「4.補助事業の効果」を見ていきます。
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