エステサロンを営む同店は創業後、有料の宣伝広告にはさほど力を入れずとも何とか事業が継続でき、17年が経過していました。しかし、最近平日日中の来店客数が非常に少なくなってきたことに危機感を抱いておりました。
そこで、スマートフォンに対応したホームページの立上げとweb広告を実施することとし、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することを考えました。
この際に、弊社は同店が予め作成した計画書をブラッシュアップする形でご支援しましたが、採択の可能性を高めるためにどのような観点からこれを行ったのかをご紹介します。
今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「4.補助事業の効果」を見ていきます。
1.「補助事業の効果」記載の仕方
同店が当欄へ事前に記載されてきた内容は概ね以下となっていました。
①新規客のリピーター化
平日昼間の料金を10%値下げしてお得感を訴求し、再来店に繋げる。また、エステ後のメイクサービスを通じて化粧品の販売をする。
②既存客へのサービス強化
従業員には定期的に化粧品の研修会に参加させて知識の向上をはかり、アドバイザーとなれるように顧客へのサービスを強化する。
③売上増加効果
平日昼間の閑散時間帯に来店するとお得なことを広告することにより、月5名の新規顧客増加を図るとともに、継続来店してもらえるよう、エステチケットの販売につなげる。
上記をどのようにブラッシュアップしていったかを以下で見ていきます。
(1) 補助事業の「効果」を書く
当欄は「補助事業の効果」を書く欄ですが、予め書かれてきた内容を拝見すると、「平日昼間の料金を10%値下げ」「研修会への参加」など実施するべき事項がかなりの割合で盛り込まれておりました。
そこで、それらの内容は<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」の中の【今後のプラン】へ移動していただき、補助事業を行うことによって得ることのできる効果に絞って記載していただきました。
(2) 顧客にとっての効果を書く
同店が予め書かれてきた内容は「自店にとっての効果」に絞られていましたが、その効果を得るには顧客が享受する効果があるはずです。よって、補助事業である「スマートフォンに対応したホームページの立上げ」と「web広告の実施」を行った結果、顧客にはどのような効果があるのかを記載していただきました。
例えば「当店の明瞭な料金システムをスマートフォンでいつでもどこからでも把握できる」「当店が高品質なエステメニューを提供していることが理解できる」などが「顧客にとっての効果」として挙げられます。
(3) 地域社会にとっての効果を書く
補助金の財源は税金ですから、同店に交付される補助金には同店を利用しない方が納めた税金も含まれる可能性があります。よって、そのような方を含めた社会にとっての効果を記載する必要がありますが、小規模事業者は地域密着型の事業展開をする場合が多いので、「地域社会にとっての効果」を記載していただきました。
具体的には、「キレイな肌の女性が増えることから、外出のモチベーションが高まり、消費活動の活発化を通じ、地域が潤うこと」「当店の業績向上により、雇用が促進され、働く場が増加すること」などを挙げていただきました。
このようにして、同店が書かれてきたを「4.補助事業の効果」をブラッシュアップしていきました。なお、これに続く様式3-1補助事業計画書②「Ⅱ.経費明細表」「Ⅲ.資金調達方法」の書き方に関しては、以下のコラムをご参照下さい。
同店の場合は、各欄に書くべき内容が書けない傾向がうかがえました。書くべき場所を意識しないで書きたいことを書いても、読み手には伝わりにくくなってしまいますので、その点を留意してブラッシュアップしていった事例となります。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例⑥
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例⑤
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例④
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例③
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例②
持続化補助金で集客力向上に挑んだエステサロンの申請書作成事例①
2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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