同店は、自社の教室や出張でヨガを教えることを主たる事業としていますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛の要請、対面接触による感染リスクを避ける顧客の増加、出張によるヨガ教室イベントの中止などにより、業績が悪化してしまいました。
そこで、マットやウエアなどのヨガ関連商品を販売するネットショップを立ち上げることとし、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金＜低感染リスク型ビジネス枠＞で調達することとしました。
結果として同店は、この補助金に採択されたわけですが、当コラムでは同店がその際に作成した計画書の内容から、採択された要因を検討し、採択の可能性を高める計画書の書き方を見ていきます。
下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは赤枠部分＜補助事業計画＞「３．補助事業の効果」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年3月11日時点の情報に基づいています。
1．持続化補助金＜低感染リスク型＞に採択！ネットショップ立上げ事例[補助事業の効果の書き方編]
持続化補助金＜低感染リスク型＞に採択！ネットショップ立上げ事例[補助事業の効果の書き方編]（1）効果を数値で述べる
同店は、新規顧客が獲得できることや、売上・利益が増加できることといった、数値で表すことのできる効果を述べていました。それだけでなく、具体的にどの程度売上・利益の増加を見込むことができるのか、数値を用いて効果を説明しており、効果の「量」を示しておりました。
単に「売上が上がる」と記載するのではなく「売上が〇円増加する」と記載した方が、読み手としては効果の大きさが把握しやすくなるのは当然のことです。ただし、信憑性のある具体的な数値を盛り込むには、それなりに下調べをする手間がかかります。同店はそれを厭わずに、しっかり対応したことが採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
なお、前述の通り同店は新規顧客の増加という効果も記載していましたが、この点については具体的な量的効果の記載はなかったことから、この対応も行うことでより採択は確実になったと考えられます。
持続化補助金＜低感染リスク型＞に採択！ネットショップ立上げ事例[補助事業の効果の書き方編]（2）商品別の見込み売上高を記載する
売上高は販売数量と販売単価の掛け算で算出することができますので、売上高を述べる際はこれらを明確に記載することで信憑性向上が期待できます。
つまり、単に「売上高が〇円増加する」とするのではなく、販売単価▲円のＡ商品における販売見込み数量は■個なので、売上高★円増加することが見込め、販売単価△円のＢ商品における販売見込み数量は□個なので、売上高☆円増加することが見込めるという形で記載するということです。
同店はネットショップで取り扱う数種類の商品について、これら販売単価と販売見込み数量を記載して、増加する見込みの売上高について信憑性を高めていたことも採択を引き寄せた要因のひとつと考えられます。
持続化補助金＜低感染リスク型＞に採択！ネットショップ立上げ事例[補助事業の効果の書き方編]（3）中長期的な効果を記載する
同店は、ネットショップを立ち上げることにより、月間で各商品が何個売れるかを記載し、年間合計でこの程度の売上が増加する、といった記述をしていましたが、この書き方は短期的視点に基づいたものと言えます。
今後、ネットショップを立ち上げ、ご商売を続けていくことで、リピーターが増加したり、知名度・認知度が向上したりすることが期待できますので、補助事業終了直後の業績だけでなく、2年後・3年後といった先々でどの程度業績を見込んでいるのかも記載すると、より大きな効果を読み手に訴求することが可能になります。
数年先の見込みなど立てようもないという方がいらっしゃいますが、数年先における自店の理想的な姿を描くことができなければ、それは実現されるはずはありません。同店はこの対応をすることにより、採択の可能性はより高まったものと考えられます。
今回のコラムでは、持続化補助金＜低感染リスク型ビジネス枠＞に採択されてネットショップを立ち上げたヨガ教室の＜補助事業計画＞「２．補助事業の効果」から、採択を引き寄せる書き方として（1）効果を数値で述べる、（2）商品別の見込み売上高を記載する、（3）中長期的な効果を記載する、を述べました。
ここまで6回にわたり、同店の事例から採択を引き寄せた要因や、より採択される可能性を高める書き方を述べてきましたが、そのポイントをまとめたものが以下となります。
また、同店を採り上げた前回までのコラムは以下となります。
２．小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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