「知り合いから補助金のことを聞きまして…」弊社に小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)に関するご相談をされる方に「なぜ当補助金に関心を持たれたのですか」と聞くと、よく上記の回答が返ってきます。
この際に、持続化補助金の内容を詳しく調べてから当社にご相談される方はそれほど多くありませんが、当補助金の内容をきちんと理解している方は採択の可能性が高い印象を持っています。
よって今回のコラムでは、持続化補助金を初めて申請しようと考える事業者向けに、当補助金の内容をきちんと理解していただくきっかけとして、当制度の概要を分かりやすく説明していきます。
あくまでも当コラムは理解のきっかけとして使っていただき、以下に示した商工団体のサイトを用いてしっかり理解していただきたいと思います。どちらのサイトを見るべきかという点は、前回のコラム小規模事業者持続化補助金とは?初めて申請する方のためのコラム①を参考にしてください。
なお、当コラムの内容は2022年5月11日時点での情報に基づいています。
1. 小規模事業者持続化補助金とは?Part2
小規模事業者持続化補助金とは?Part2(1)<一般型>の通常枠は補助率3分の2、上限50万円
2022年5月11日現在、持続化補助金は<一般型>のみ公募がなされておりますが、この<一般型>には通常枠と特別枠があります。今回取り上げる通常枠は、対象経費の3分の2、上限50万円までを補助します。
消費税の扱いは後述しますが、免税事業者と簡易課税事業者が仮に税込120万円を対象経費として申請したとしたら、その3分の2は80万円ですが、補助上限額は50万円ですから、そこまでしか補助されません。
また、上述の事業者が仮に税込30万円を対象経費として申請したとしたら、その3分の2は20万円ですから、50万円ではなく20万円の補助になります。つまり、上限50万円の交付を狙うための一番負担が小さい対象経費額は75万円ということであり、その場合の負担額は25万円となります。
小規模事業者持続化補助金とは?Part2(2)事業者によって消費税の扱いが異なる
上記の対象経費は事業者によって税込の場合と税抜の場合があります。まず自社が消費税を納めている事業者なのか、それとも年商1千万円以下の免税事業者なのかを確認していただきます。
ここで財源が税金である補助金が、税金を補助しないという原則を認識しておく必要がありますが、免税事業者は消費税を扱う概念がありませんので、特例として税込金額が対象になります。つまり、補助対象経費が75万円だとしたら、この金額は消費税込みの額になります。
そして、消費税を納めている事業者は、納税額を簡易課税制度で算出していれば、やはり特例が適用され、税込金額が対象となります。これに対して、納税額を本則課税制度で算出していれば、税抜金額が対象となり、補助対象経費が75万円で消費税率が10%だとしたら、税込82.5万円に対して上限50万円が補助されることになります。
詳しくは前述のサイトからダウンロードできる「令和元年・3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>参考資料」9ページを参考にしてください。
小規模事業者持続化補助金とは?Part2(3)経費の立替が必要
下図は小規模事業者持続化補助金の一般的なスケジュールです。
公募開始から申請締切を迎えると、約2か月の期間で、申請者の計画書が審査されます。この審査で採択された場合に、事業者名と補助事業名が公表され、交付決定通知書が到着してから事業開始となります。よって、当通知書が到着する前に支出した経費は対象外となります。
そこから約半年間で補助事業を実施することになります。例えば、店舗改装工事をするのであればその期間内に工事を終わらせ、支払いも済ませます。チラシを作成し、配布するのであればその期間内に作成し、配布も終わらせ、支払いも済ませます。
この支払はいったん立替となります(上図の赤い矢印部分)。その上で事業終了後に目的外使用のないことが確認できてから、補助金が入金されます。よって、立替するための費用を事前に準備しておく必要があります。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金の制度を理解していただくために、当補助金とは(1)通常枠は補助率3分の2、上限50万円である、(2)事業者によって消費税の扱いが異なる、(3)経費の立替が必要であることを述べました。次回のコラムでも引き続き、当補助金制度の解説をしていきます。なお、前回のコラムは以下となります。ご参考まで。
2.当コラムの解説動画
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