小規模事業者持続化補助金とは?初めて申請する方のためのコラム⑤

小規模事業者持続化補助金

 「当補助金を利用して展示会に出展したいのですが」というご相談を受けることがありますが、断念せざるを得ないケースも相応にあります。

 補助金の対象経費には様々なルールがありますが、なぜこのようなケースが起こり得るのかといった点を含め、今回のコラムでは、初めて持続化補助金を申請する方のために、下記サイトからダウンロードできる「ガイドブック」「公募要領」「参考資料」から持続化補助金における対象経費について見ていきます。

小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助いたします。
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 どちらのサイトを自社は利用するべきかという点については、小規模事業者持続化補助金とは?初めて申請する方のためのコラム①を参考にしてください。なお、当コラムの内容は2022年5月14日時点での情報に基づいています。

1.小規模事業者持続化補助金とは? Part5[対象経費編]

 下図は「令和元年・3年度補正予算小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック」4ページからの引用ですが、当補助金では11種類の経費が対象となっています。これらは単独の費目で申請することも、複数の費目で申請することも可能です。

 前回のコラム小規模事業者持続化補助金とは?初めて申請する方のためのコラム④では「①機械装置等費」~「③ウェブサイト関連費」までを見ましたので、今回は「④展示会等出展費」~「⑥開発費」までを見ていきます。

 なお、ガイドブックや公募要領を読んでも、使いたい経費が補助対象になるかならないか判断に迷う方は事務局に連絡して直接質問することをお勧めしますが、この際は必ず回答した担当者のお名前を控えてください。これは担当者によって回答が異なることがあり、後々のトラブルを防止するためです。

小規模事業者持続化補助金とは?Part5[対象経費編](1)展示会出展は補助事業期間内が対象

 上表の「④展示会等出展費」は文字通り展示会などに出展する費用が対象になります。過去に弊社がご支援した鞄の製造業者は、当費目を使って海外の展示会に出展し、大きな成果を挙げました。もともと収益性が厳しく、補助金がなければ出展できなかったとのことで、非常に喜んでおられましたが、この費目でネックになるのは展示会の開催日程です。

 小規模事業者持続化補助金とは?初めて申請する方のためのコラム②で示したように、当補助金を使う事業(補助事業)は、おおよそ締め切りから2か月後にスタートし、その約半年後に終了させる必要があり、この期間を補助事業期間と呼んでいます。

 出展したい展示会がこの期間に開催されれば、何の問題もないのですが、必ずしも補助事業期間内に展示会の開催期間が含まれるとは限らず、その場合は補助金を使った出展はできないことに留意する必要があります。

小規模事業者持続化補助金とは?Part5[対象経費編](2)グリーン車代や朝食代は対象外

 前述した展示会などに出展する際の交通費は「⑤旅費」として対象になり得るわけですが、多くの場合、往復の新幹線代や宿泊費を対象経費として申請している印象があります。この旅費は、新幹線の指定席券代は対象ですが、グリーン車の利用代金は対象外となります。

 また、宿泊費は下図(令和元年度補正予算・令和3 年度補正予算小規模事業者持続化補助金<一般型>参考資料7~8ページを一部加工)のように地域で差が設けられています。外国の場合における基準も定められていますので、該当する方は当資料の8ページを参考にしてください。なお、上記の料金に朝食代や温泉利用料は含まれない点にも留意する必要があります。

小規模事業者持続化補助金とは?Part5[対象経費編](3)パッケージの作成も可能

 「⑥開発費」は「令和元年度補正予算 ・令和 3 年度補正予算小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領」によると「新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費」となります。この費目でパッケージを作成して大きな成果を挙げた酒販店の事例をご紹介します。

 同店は、小売の他にスナックなど飲食店に卸売もしていましたが、コンビニエンスストアやスーパー、ディスカウントショップの攻勢により苦境に陥り、多くの在庫を抱えておりました。

 そこで、180mlの日本酒が3本入る同店オリジナルの箱を作成しようと考えました。このようなパッケージ代は最初にデザインを起こす必要がありますが、この費用が高額であり、当補助金の「⑤開発費」を活用することとしました。

 そして、この箱に3本の日本酒を詰め合わせ、既存顧客であるスナックの経営者に、同店の顧客へ誕生日プレゼントとして配布することを提案したところ、非常に良く売れました。このように売るものは変わらないけれども、パッケージを開発することで違う需要を喚起することは、事業展開の選択肢を広げることになります。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金を理解していただくために、当補助金の対象経費に関する内容として(1)展示会出展は補助事業期間内が対象、(2)グリーン車代や朝食代は対象外、(3)パッケージの作成も可能、を述べました。次回のコラムでも引き続き、対象経費の解説をしていきます。

 なお、小規模事業者持続化補助金について基礎的な内容を解説した当コラムのバックナンバーは以下となりますのでご参考まで。 

2.当コラムの解説動画

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