持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方⑪

小規模事業者持続化補助金

 当サイトでは小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】において、多数の採択・不採択事例を紹介しておりますが、それらの内容をまとめ、採択の可能性を高める計画書の書き方を持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方①からシリーズでご紹介してきました。

 当補助金に応募する際は、インターネットで電子申請を行いますが、採択可能性を高めるポイントは、計画書の書き方だけでなく経費の入力内容にもあります。そこで今回のコラムでは、持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方⑩に引き続き、この経費入力の仕方について述べていきます。なお、当コラムの内容は2021年12月30日時点の情報に基づいています。

1. 持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[経費入力編]

持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[経費入力編](1)細かく記載する

 持続化補助金含め、様々な補助金がありますが、各補助金には申請のルールブックである公募要領があり、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】の公募要領はこちらのサイトからダウンロードができます。

 この公募要領には下図のように「審査の観点」が掲載されており、文字通りどのような観点から審査されるのかがオープンになっています。

 経費入力に関しては、上図の下線部分がポイントであり、例えばホームページであれば「ホームページ一式」と書くことは不採択の可能性を高めてしまいます。よって「デザイン基本料」「ページ制作費」「お問い合わせ機能」などのように可能な限り分解して記載することが採択の可能性を高めるでしょう。

持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[経費入力編](2)個数を記載する

 下図は、前述の小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】のホームページからダウンロードできる【申請補助資料】補助金額計算用補助資料であり、これに使いたい経費の内容を入力し、内容を確認してから、電子申請をすると金額を間違うリスクが小さくなります。

 この中の①がついた「経費内訳(単価×個数)」ですが、例えば出展費10万円のオンライン展示会に1度だけ参加する場合は「100,000円×1回」と記載する必要があります。ですが、この「1回」が抜けているケースが多々あります。

 これを抜かしたとしても分かってもらえるとお考えの方もいるとは思いますが、分かえない読み手もいるリスクがありますから、「1」なら「1」としっかり記載してリスクを軽減したいところです。

持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[経費入力編](3)直接的な必要理由を書く

 上図の③には「具体的内容・必要理由等」がありますが、具体的な内容は書かれていても必要理由が書かれていないケースが多い印象があります。また、各項目の必要理由が全て「売上を上げるため」になっているケースもありました。

 例えば、エステティックサロンにてセルフエステの機械を導入する場合、その理由は「売上を上げるため」なのでしょうが、その要因として「安価なセルフ式サービスを求めるニーズに応えるため」であったり、「コロナ禍で従業員との接触型による施術を行う競合と差別化を図るため」であったりするはずです。

 これらが直接的な理由であり、これを記載することが必要性に関する説得力を高めることとなります。

持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[経費入力編](おまけ)

 経費額を消費税込みで入力するべき事業者と、消費税抜きで入力するべき事業者があります。考え方として、公的資金で事業者が負担するべき税金は賄いませんので、原則「消費税抜き」で入力します。

 ただし年間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税が免除されていますので、消費税を取扱うという概念がありません。よって「消費税込み」相当額を入力します。

 そして、ここがポイントなのですが、納税する消費税額を簡易的な計算方法で算出する「簡易課税制度」を導入している事業者は「消費税込み」相当額を入力できるルールとなっています。

 例えば、簡易課税事業者が税抜100万円、税込110万円の補助事業経費を使いたい場合、税込110万円で申請できますが、これを税抜100万円で申請してしまうと、本来は110万円の4分の3に相当する82万円(小数点以下は切り捨て)が補助金額になるはずなのに、100万円の4分の3に相当する75万円しか補助金額にならなくなってしまいます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に応募する際に行う経費入力のポイントとして(1)細かく記載する、(2)個数を記載する、(3)直接的な必要理由を書く、の他に税抜・税込に関することを示しました。

 ここまで11回にわたって、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択される可能性を向上させる計画書の書き方について見てきましたが、各回のポイントは以下の通りです。当補助金の採択を目指す方の参考になれば幸甚です。

 なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。

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