持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方④

小規模事業者持続化補助金

 当サイトでは持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】において、多数の採択・不採択事例を紹介しておりますが、各事例においてそのポイントはほぼ共通しています。そこでこれまで紹介してきた事例の内容をまとめ、採択の可能性を高める計画書の書き方をご紹介していきます。

 下図は、当補助金へ応募する際に提出する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは、持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方③の続きとして、図の赤枠部分<経営計画>「1.自社の事業概要」を書く際のポイントを述べていきます。なお、当コラムの内容は2021年12月23日時点の情報に基づいています。

1. 持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[自社の事業概要編Ⅱ]

持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[自社の事業概要編Ⅱ] (4)自社の概要について述べる

 当補助金の計画書フォーマットでは「自社の概要や経営状況、課題」について記載が求められている旨の但し書きがあります。採択された事例を見ると、以下の内容が記載されているケースが多い印象があります。

  1. 創業のきっかけ、沿革
  2. 経営者やスタッフ、店舗・事務所の内外装、商品などの写真
  3. 立地を表す地図
  4. 売上・利益総額の大きい商品・メニューとその金額
  5. 経営課題

 1.は、自社の自己紹介の意味合いがあります。前回のコラムで述べたように、これに2.3.を追加することでビジュアルに訴求し、リアリティを高める効果が見込めます。

 4.は、日本商工会議所全国商工会連合会のホームページで公表されている当補助金【一般型】の記入例のうち、複数のものに盛り込まれており、これにより読み手は取扱商品や事業規模が把握できるとともに、自社は売れ筋の強化という戦略構築に役立てることも可能です。

 5.は、これを記載することで、その解決策を実行するにあたり当補助金を活用したいというストーリーを作りやすくなります。

持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[自社の事業概要編Ⅱ] (5)内部環境について述べる

 当補助金の計画書フォーマットでは「特徴、自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容」について記載が求められている旨の但し書きがあります。これらを記載する際は、自社の内部環境である「強み」として記載することをお勧めしています。

 なぜなら、経営資源の質・量ともに豊富とは言えない小規模事業者における戦略の王道は「強み」の強化であると言え、当補助金【一般型】の計画書フォーマットでは「強み」を記載させる欄まであるからです。そこで「顧客に価値を提供できる差別的優位性のある経営資源」である「強み」は以下の観点から洗い出すと良いでしょう。

  1. 人的資源:経営者やスタッフの経歴やスキルなど
  2. 物的資源:店舗、設備、什器、商品、品揃えなど
  3. 財務的資源:内部留保、借入・返済状況、与信枠など
  4. 情報的資源:受発信している情報の質と量、ノウハウなど

持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】計画書の書き方[自社の事業概要編Ⅱ](6)外部環境について述べる

 当補助金の計画書フォーマットでは「市場動向等」について記載が求められている旨の但し書きがあります。これを記載する際は、自社の外部環境である「顧客ニーズ」「競合動向」について述べることをお勧めしています。

 なぜなら「顧客ニーズ」に沿った事業を展開しなければ事業の拡大は見込みにくくなるだけでなく、「競合動向」を把握し、それらよりも優れている経営資源こそが前述の「強み」であるからです。

 顧客ニーズとして「顧客の声」を記載されるケースを散見しますが、弊社では顧客ニーズを「自店を利用することにより、顧客が達成したい目的」と定義しており、これは「顧客の声」から自社が導き出すものと考えています。

 例えば「営業時間を長くして欲しい」という声により、顧客はどんな目的を達成したいのかを考えた場合に「夜が遅いライフスタイルをより充実させたい」というニーズがあるのかもしれませんし、「夜が遅くてもじっくり店舗スタッフと相談したい」というニーズがあるのかもしれません。

 また、競合動向に関しては、社名、所在地、URL、特徴などを一覧表にして盛り込むことをお勧めしています。特に特徴に関しては自社から見た主観的なものにならざるを得ませんが、あくまでも自社なりに競合をきちんと観察・分析できていれば良いと考えています。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に応募する際に提出する計画書の<経営計画>「1.自社の事業概要」を書く際のポイントとして(1)自社の概要について述べる、(2)内部環境について述べる、(3)外部環境について述べる、を挙げました。次回のコラムでは引き続き<経営計画>「1.自社の事業概要」の書き方について見ていきます。

2.当コラムの解説動画

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