「コロナをチャンスにするための方策を考えているんです」その経営者は私に会うなり、このようにおっしゃいました。
小規模事業者は経営者が現場で汗を流すケースがほとんどですが、そのような経営者は「あれが足りない、これが足りない」といった形で内部環境に目が向きがちです。これは致し方ない側面でもありますが、外部環境にも目を向けないと事業拡大のチャンスを見逃してしまうリスクを抱える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大はテレワークやネット通販の市場拡大という外部環境の変化をもたらしました。四六時中「あれが足りない、これが足りない」といって日々の業務に追われてばかりだと、このような外部環境の変化を見逃したり、気付くのが遅れたりしてしまうかもしれません。
冒頭の経営者はそのような罠に陥ることなく、ビジネスチャンスをうかがっており、このような姿勢は事業拡大に寄与することでしょう。事実、同社は斜陽産業と言われているにもかかわらず、3年間で売上を倍以上に伸長させています。
小規模事業者持続化補助金では<経営計画>の中に、今回見ていく「2.顧客ニーズと市場の動向」という欄があり、ここに外部環境を記載することになっています。日々の業務に追われる中、当補助金の申請を通じて、外部環境を棚卸し、ビジネスチャンスを見つけていきたいものです。
今回のコラムでは、前回同様、以下のサイトからダウンロードできるカラオケ店の計画書記載例を用いて、この「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方におけるポイントを見ていきます。
【商工会議所エリア】
【商工会エリア】
なお、今回見ていく「2.顧客ニーズと市場の動向」の当記載例は以下となっており、今回のコラムでは、この内容から採択される書き方のポイントを見ていきます。
1.採択可能性UP!持続化補助金<経営計画>カラオケ店記載例のポイントPart2
採択可能性UP!持続化補助金<経営計画>カラオケ店記載例のポイントPart2(1)内容を切り分ける
当記載例では「当社事業に関わる市場の動向」「顧客のニーズ」「競合の状況」という見出しを設けて内容を切り分けています。当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですので、最低でも「顧客ニーズ」「市場の動向」という切り分けをしないと、内容が混在し、相手に伝わりにくくなってしまいます。
もちろん、内容を切り分けたことを訴求するために、当記載例のように見出しを設けるべきであることは言うまでもありません。
採択可能性UP!持続化補助金<経営計画>カラオケ店記載例のポイントPart2(2)競合動向を記載する
当記入例では「競合の状況」という見出しの下で、競合について触れています。今回見ている「2.顧客ニーズと市場の動向」欄の次には「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」という欄がありますが、強みとは競合と比較した差別的優位性ですから、競合の状況を記載しておくことにより、強みの説得力向上が期待できます。
そして、競合の状況は外部環境ですから「2.顧客ニーズと市場の動向」欄にそれを記載することは妥当性があると言えます。できれば、具体的な社名・店名と各々の特徴を述べることで、より深い分析となり、強みの説得力向上や戦略の有効性に寄与するのではないでしょうか。
採択可能性UP!持続化補助金<経営計画>カラオケ店記載例のポイントPart2(3)根拠を示す
当記載例では「当社事業に関わる市場の動向」として「1994 年をピークにカラオケボックスの市場規模は減少傾向にある」と述べています。読み手によってはこれが事実かどうか疑ってかかるケースがあるため、この内容の裏付けとなる統計データを出典とともに示すとより採択に近づくのではないでしょうか。
なお、この場合、グラフや図表を盛り込むことでビジュアルに訴求でき、読み手の理解が進みやすくなることが期待できます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金の申請時に作成する<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方におけるポイントとして、(1)内容を切り分ける、(2)競合動向を記載する、(3)根拠を示す、を述べました。次回のコラムでは、当記載例の<経営計画>「3.自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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小規模事業者持続化補助金に応募したくなる本