経営革新計画の書き方1:経営革新計画とは

経営革新計画

 私はガソリンスタンド運営会社での店長職時代に中小企業診断士の資格を取得しましたが、その後、経営コンサルタントに転身して10年以上が経過しました。正確にはあと18日で丸11年が経過します。

 この間、主にロードサイド店舗をご支援してきましたが、その一環として多数の【経営革新計画】を作成してきました。その数は、本日(2020年2月28日)現在でのべ133事業所となりました。

 この取組みにより、12年ぶりに売上が前年を超えたケース、3年間で売上が2.2倍になったケース、3回連続で補助金に採択されて売上を伸ばしたケースなど様々な成果が出ました。

 このように【経営革新計画】は、正しい作り方・使い方をすることにより、大きな成果を出すことが可能です。そこで、今回のコラムからこの【経営革新計画】の書き方について見ていきたいと思います。

経営革新計画とは

 具体的な書き方をご紹介する前に、そもそも経営革新計画とは何なのかを見ていきます。これは、一言でまとめると「都道府県に完成度を審査していただく新規事業の計画」です。

 なぜ都道府県に計画の完成度を審査していただくのかというと、審査に通ると様々な特典があるからです(都道府県によって特典に差があります)。一例を挙げると、補助金審査の加点、日本政策金融公庫の特別利率による融資制度、信用保証制度の特例などです。しかし、そのような特典よりも驚異的な特典があります。

大きな広告宣伝効果

 その特典は、審査に通ると都道府県知事の名前入りの承認書が届くことです。私はこれを【メディア戦略】に活用することをお勧めしています。私がご支援をした雑貨店は、経営革新計画の審査を通過し、この承認書をいただいた時点で、計画の内容をA4用紙1枚にまとめ、承認書のコピーとともに新聞社10社へファックスをしました。

 当店の取組みをまとめた計画が【知事が認められた】というPRは日々ニュース素材を求めている新聞社としては取り上げやすいわけで、目論見通り、新聞に掲載されました。当然、広告効果は高まるわけで、店舗に顧客が殺到することとなりました。

何をもって「新規」事業というのか

 経営革新計画は、一言でまとめると「都道府県に完成度を審査していただく新規事業の計画」であると前述しました。では、何をもって「新規」事業と判断するのでしょうか。

 経営革新計画では、【商品・サービス自体】が新しいか、その【提供方法】が新しいかがポイントとなります。それは、日本初ではなく、自社にとっても競合にとっても初めてのものであれば、「新規」事業と見られるケースが多いです。

 そして、新規事業のネタを思いついたから経営革新計画を作るのではなく、ノーアイデアの状態から現状を確認し、新規事業を考案していくケースがほとんどです。

 また、コンサル会社に経営革新計画作成のご支援を依頼する際の相場は20~30万円といったところですが、地元の商工会、商工会議所の会員(要年会費)として依頼すると、無料でご支援を受けることが可能です。

 今回のコラムでは、経営革新計画の書き方を理解するための前提として、経営革新計画とは何かを述べました。次回は、現状の把握の仕方について述べていきます。

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