入店すべきか迷いながら顧客が見ている小売店の3つのポイント

戦略の考え方

 小売店を経営する方であれば、できるだけ多くの顧客にご来店いただきたいという気持ちは、当然のことながら強く持っているはずです。それにも関わらず、来店客で賑わう店舗もあれば、閑古鳥が鳴いている店舗もあります。
 
 ここでは、リピーターではなく、初めて訪れる顧客は、店舗の何を見て入店を判断しているのか、考えられる重要なポイントを3つ見ていきたいと思います。

ポイント1:店舗の外観

 店構えと言っても良いでしょう。ある飲食店は、営業日数が長ければ長いほど売上が上がるという考えから、1年間のうち正月3が日を除く362日を営業していました。その362日全てに店主が厨房に立っているのです。その店舗の外観から漂うのは「疲れているオーラ」です。
 
 オーラは意図的に出すことができません。その店の内部環境が滲み出てくるものです。人間関係の良い店舗はフレンドリーなオーラが、資金繰りに苦しむ店舗はガツガツしたオーラが出てくるものです。
 顧客は店舗の外観からオーラを感じ取り、好ましいオーラを発している店舗に入店します。

ポイント2:入り口

 店舗の入り口が汚かったり、入り口付近に在庫が積み重ねられていたりするのは論外ですが、入り口にPOPがてんこ盛り状態で貼られていたり、POPを剥がしたテープ跡が残っていたりする店舗は意外と多いものです。
 また、ロードサイド店舗にとって、駐車場は実質的な入り口になります。ゴミが散乱していたり、駐車スペースを示す白線が消えかかっていたりする状態も、良い印象は与えません。

ポイント3:客層

 かつて、深夜の時間帯に暴走族がたむろする24時間営業のガソリンスタンドがありました。その店の深夜スタッフは、やはり暴走族の一員で、日中勤務の店長や役職者が帰宅した後に仲間を呼び寄せていました。そのような店は、日中もどちらかというとやんちゃな印象の顧客が多いものでした。
 また、パトカーや白バイなど地元の警察関係の車両が給油しに来るガソリンスタンドは、固めの方が客層として多いものです。
 
 客層が店舗の雰囲気を作り上げますが、その雰囲気が自分に合っていないと顧客は入店できないものです。

 これらのポイント、特にポイント1と3は、なぜ当店が存在しているのかという経営理念、誰のために何を提供するために運営するのかという店舗コンセプト、つまり、店の在り方が大きく影響します。小手先の販売テクニックよりも、在り方を徹底して検討していくことの方が重要と言えるでしょう。

 閑古鳥が鳴いているだけならともかく、閉店・廃業せざるを得ない状況になって、後悔していては遅いのです。
 【参考記事】
 経営理念が意味するもの
 経営理念の浸透が現場にもたらした効果

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