口コミの重要性を示す3つの効果

　以前、歯の治療のために、地元の歯科医をネットの口コミサイトで探したことがあります。その中で評価ナンバーワンの歯科医に行ったのですが、2回通って、行くのを止めました。対応が合わなかったからです。

　このように、口コミを投稿した人にとっては非常に良い歯科医でも、別の人にとってはそうではない場合もあります。また、歯科医自体が口コミを書いたり、歯科医の家族や知り合いに口コミを書いてもらったりするという自作自演の可能性も否定できません。

　それにも関わらず、ホテルを予約するとなれば「じゃらん」の口コミを見て評価の高いところを予約したいですし、飲食店を予約するとなれば「食べログ」の口コミを参考にするものです。

　先日のコラム、エステサロンが口コミで集客する5つの方法で、過半数のユーザーはサイトの口コミを参考にするという統計データを示しました。なぜ、ユーザーは口コミを重視するのでしょうか。今回のコラムでは、口コミが重要であることを示す様々な効果を見ていきます。

　ハロー効果とは、ある一部分が全体の評価に影響を及ぼす効果です。ここで言う「ハロー」は挨拶のHelloではなく、後光という意味のHaloになります。

　先日、コンビニ最大手のセブンイレブンがリリースしたスマホ決済システムである7Pay（セブンペイ）がセキュリティの脆弱性を突かれ、5,500万円もの不正利用をされてしまいました。

　7Payをインストールしたユーザーの中には「業界最大手のコンビニチェーンが提供するスマホ決済だからセキュリティも強力だろう」と認識していた方も相当数存在したのではないでしょうか。

　業界最大手であることと、セキュリティが強力であることに明確な因果関係はないにもかかわらず、このように認識させてしまう効果が、ハロー効果です。

　口コミが持つハロー効果とは、来店する全顧客のうち、ある一部の顧客が投稿したポジティブな口コミを根拠に、その店舗は優れていると判断することを指します。

　ウィンザー効果は、アーリーン・ロマノネス著の「伯爵夫人はスパイ」というミステリー小説に登場するウィンザー侯爵夫人の台詞「第三者のお褒め言葉は、どんなときでも一番効き目があるのよ」に因んだものです。

　ある焼き鳥店では、ホームページに顧客へのメッセージとして「彩の国埼玉ならではの、こだわりの逸品をご用意しました」とあります。これに対して、同店が掲載されている口コミサイトでは「焼き鳥が物凄く丁寧に焼かれているのがわかります」とあります。

　どちらが高い説得力を持つかといえば、やはり口コミの方であると言えるでしょう。

　「バンドワゴン」とはパレードの先頭にいる楽隊車を指し、「バンドワゴンに乗る」とは勝ち馬や時流に乗るという意味があります。

　行列のできている飲食店は、その行列が集客力を高めます。コンビニエンスストアの雑誌コーナーが道路沿いに配置されているのも、この効果を意識したものであり、雑誌を立ち読みする人の姿を、前面道路を通行する人々に訴求することにより、入店を促しています。

　多くの方々の口コミがあることにより、それだけ繁盛していると認識させ、それが良い店だから繁盛しているという判断に繋がるということです。

　補足になりますが、口コミはスタッフ募集の際に、応募者の増加を促し、人手不足の解消にも繋がります。

　現在働いているスタッフの勤務してみた感想や、自店を卒業したアルバイトスタッフなどからの感想を掲載することは、これまで見てきた3つの効果により、応募を検討している方々の気持ちを後押しするでしょう。

　そのような口コミサイトもありますので、人手不足に苦しむ店舗は活用をする価値があります。ただし、従業員満足を高めていかなければポジティブな口コミは書きようがありません。従業員満足については以下のコラムを参考にして下さい。
　【参考コラム】ガソリンスタンドが従業員満足の向上に取り組むべき理由とは

　今回のコラムでは、口コミの重要性を示す3つの効果として、1．ハロー効果、2．ウィンザー効果、3．バンドワゴン効果を挙げました。これらを意識して、口コミがどんどん集まる仕組みを構築していきましょう。その仕組み構築には、冒頭で示したコラムエステサロンが口コミで集客する5つの方法を参考にして下さい。

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