口コミが販売促進に重要であることは多くの事業者が認識しているはずですが、思うように口コミが集まらない、広まらないのが悩ましいところであるはずです。
「集まらない」「広まらない」のは、受動的な姿勢です。これに対して「集める」「広める」のは能動的な姿勢です。今回のコラムでは口コミを「集める」「広める」ために、店舗側が写真を使って仕掛けていくことの重要性を、事例を通じて見ていきます。
食券券売機に握手券があるラーメン店
埼玉県狭山市にあるラーメン店「上気元 いただき」では、食券券売機でラーメンの他に「握手券」を販売しています。
この握手券の価格は10円であり、月間に5~10枚が売れるそうですが、これを買うと店長と握手して写真を撮ることができます。そして、店舗が顧客の許可を得てFacebookなどSNSにこの写真をアップしています。
当然、握手をした顧客もFacebookなどSNSにアップするケースが多いわけで、それが口コミとして広まっていくことになります。
この握手券のポイントは、ラーメン店で握手券を販売するという発想の斬新さもそうですが、「店長との写真を撮る」という点です。良い写真、珍しい写真を撮るとSNSにアップしたくなるのが人情というものでしょう。これにより口コミが増え、注目度が向上することとなります。
似たような取組みは、同じ埼玉県内の、あるスポーツ用品店でも実施しています。
買い物の記念写真を撮るスポーツ用品店
弊社がかつてご支援をしたスポーツ用品店は、主に野球用品を扱っていますが、それを買いに来た方が会計を済ませた時点で、顧客のスマホを使って、お買い上げいただいた商品を持った顧客の写真を買い物記念として撮っています。
さらに、その写真を月に1回店頭で配布する自店手作りの新聞に掲載したい旨をお伝えし、OKしてくれた顧客を対象に自店のデジカメでも撮影します。この新聞は店頭でしか配布していないので、翌月に該当顧客のほとんどは、その新聞を取りに来ます。
なお、写真を撮ってもらう顧客は子どもや、親子連れが多いのですが、新聞を取りに来た子どもの顧客は、自分が所属するチームにこの新聞を見せに行きます。これにより、口コミが広がることとなります。
口コミしたくなる写真とは
ラーメン店はネットでの口コミを、スポーツ用品店はリアルでの口コミを拡大させていますが、そのツールとして共通するのは、写真です。
費用をかけて、インスタ映えを意識した料理の開発や、店舗の内装に工夫を凝らすのも良いでしょう。それにより口コミが増える可能性も高まります。ですが、顧客自身が映った写真を提供することは、費用がほとんどかからない上に、口コミが誘発されやすいことに留意する必要があるでしょう。
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