「あ、給油キャップ…」セルフサービスのガソリンスタンドで店長職を務めているAさんは、お店が暇な時間帯に、ガソリンを給油する機械をタオルで拭き掃除していたところ、置きっ放しになっている給油キャップを見つけました。
セルフサービスのガソリンスタンドで給油キャップを締め忘れていく顧客は非常に多く、どこの店舗でも持ち主不明の給油キャップが事務室にゴロゴロしているはずです。
ガソリンスタンドの店長職を務めた私の経験上、従業員の顧客に対するフォローも限界があります。顧客への注意喚起のために「給油キャップの締め忘れにご注意ください」とPOPを貼っても大した効果は見込めません。
そこで、今回のコラムでは、顧客への注意喚起に有効なPOPにはどのようなメッセージを記載するべきなのか見ていきます。
防止メッセージ1:キャップ締め忘れの弊害を訴求する
給油キャップが締まっていない車両が被る弊害としては、ガソリンタンク内から気化したガソリンが給油口から拡散し、引火する原因になったり、走行中にガソリンタンクから流出したガソリンが塗装を変色させる原因になったりします。
そこで、以下のメッセージのようにキャップを締め忘れるとどのようなことが起こるのかをPOPにして訴求することにより、締め忘れの抑止力が高まります。
「キャップを締め忘れると爆発する危険性があります」
「キャップを締め忘れると車両のボディが変色する可能性があります」
防止メッセージ2:メッセージに注目させる
「!」このびっくりマークがあるだけでそのメッセージに注目しやすくなります。また、メッセージの冒頭に「そうだ、」「ほら、」「実は、」などを付けても同様の効果が得られます。例として以下が挙げられます。
「!給油キャップ!」
「そうだ、給油キャップを確認しよう」
「ほら、給油キャップを締めてごらん」
「実は、給油キャップを締め忘れるお客様って意外と多いんです」
POPは見てもらわなければ意味がありません。このようなメッセージを記載することにより注目度が高まります。
防止メッセージ3:反対ワードを使う
ガソリンスタンドでは、給油キャップを忘れてほしくないことを訴求しますが、反対ワードを使用することで、そのメッセージが強調される効果があります。例として以下が挙げられます。
「忘れちゃいけないのに忘れてしまう。それが給油キャップ」
「家計を締めることは忘れない。でも給油キャップは締め忘れるもの」
「忘れない」の反対ワードは「忘れる」ですから、これらを組み合わせることによって「忘れない」ことの訴求力を高めます。
防止メッセージ4:「体温」を感じさせる
メッセージに「体温」が加わると、注目度が上がるだけでなく、記憶にも残りやすくなります。ここでいう「体温」とは身体や気持ちの変化を指し、例として以下が挙げられます。
「顔には微笑みを、ガソリンタンクには給油キャップを。」
「想いは溢れる。でもガソリンは溢れない。なぜなら給油キャップが締まっているから。」
身体や気持ちの変化は、他人事と捉えにくいため、自分に置き換えて捉えてもらうことが可能です。
今回のコラムでは、セルフサービスのガソリンスタンドで、給油キャップの締め忘れを防ぐためのPOPで訴求するべき4種類のメッセージとして、1.キャップ締め忘れの弊害を訴求する、2.メッセージに注目させる、3.反対ワードを使う、4.「体温」を感じさせる、を挙げました。
「あ、給油キャップ…」が少しでもなくなることを祈っています。
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