傾聴を用いたコミュニケーション

コラム

お得意様の長話

 店舗には馴染み客、固定客がいるものです。全てではないにせよ、従業員の名前を知っており、店舗側も名前を知っている。得てして関係性が長く深く、売上に対する貢献度も高い、お得意様と呼ばれる方々です。

 お得意様を増やしていくことは、ロードサイド店にとって重要なことですが、その反面、売場でこのような顧客に捕まると、長話につきあわされる羽目に陥ることがあります。そういう時に限って店舗は混雑していたり、捕まった従業員は忙しかったりして、ちょっと大変な思いをするケースです。

 お得意様ですから、ぞんざいな扱いもできません。このような場合、どのような対処をするべきなのでしょうか。

なぜ話が長いのか

 私たち人間は、他人に認められたいという欲求を持っています。他人に認められたいがために発言をすることは多々あります。
 お得意様も、既にその店舗で認められている、という自信があれば話は長くならないはずですが、たくさんお金を使っているのに、何だか認められている気がしない、という場合に従業員へ話しかけ、自分が認められているかどうか確認をする、という方も相当数いるはずです。

 少し従業員と話をしたのだけれども、何だかきちんと聞いてくれていない感じがするので、ちゃんと聞いてもらい、自分を認めさせたい。そういう心理が無意識に働いて、話が長くなるケースが多いのです。

長話を防止する

 従業員側としては、話しかけられたら、こちらのコラムで述べた「傾聴」のスキルを使って、まず、きちんと聞きます。
 傾聴したらますます話が長くなる、という恐れから話を軽く流そうとするのは逆効果で、お得意様としては、話をきちんと聞いてくれて、わかってくれたと感じたら話は切り上げやすくなります。わかってくれていない感じがするので同じ話を繰り返すなど話が長くなる。よって、傾聴することは長話の防止につながる可能性が高まります。

長いなと感じたら

 とはいうものの、長話になってしまったらどうするか。「そうですね」「わかります」という現在進行形ともいうべき相槌は、話を促す効果があります。「わかりました」「面白かったです」と相槌の語尾を断定型にすることで、話は切り上げやすくなります。

 いつも話の長い顧客に傾聴をすることは、最初は勇気が要る行為ですが、一度やってみるとその効果を実感していただけると思います。予想に反して長話になったら、語尾を断定型にしてみる。日常生活でも使えますので、ぜひ試してみてください。

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