「昔からのお客様が高齢化により免許返納をしてしまい、客数が減少しているんです。」ある地方で地域密着型の事業展開をするガソリンスタンドの経営者から、このようなご相談を受けました。
確かに高齢者の運転免許返納は増加しています。警察庁「運転免許統計」によると、2017年に運転免許を自主返納した75歳以上の人数は2007年の27倍となっています。これは、75歳以上の運転免許保有者の4.7%にあたります。
このことは、ガソリンスタンドだけではなく、車で来られる顧客をターゲットとしている店舗共通の課題です。今回のコラムでは、そのような課題を抱えた店舗に対して、ガソリンスタンドを事例にどのような対策を打つべきかを見ていきます。
免許返納による売上減少のガソリンスタンドがとるべき対策1:ホームページを持つ
免許返納で既存顧客が減ってしまったら、客数確保のために新規顧客を集客する必要があります。ひと昔前はティッシュ5箱プレゼントなどのイベントで新規顧客を呼び寄せることができましたが、収益性に苦しむ店舗はイベントの費用を捻出することが困難です。
よって、あまり費用をかけない集客策としてインターネットの活用が挙げられます。まず、ネット上の名刺ともいうべき、自社のホームページを持つことです。「ガソリンスタンドは商品で差別性を訴求できませんので、ホームページで訴求することがない」と言う方がいますが、商品で差別化できないなら事業の姿勢で差別化しなければいけません。
具体的なホームページの記載内容としては、経営理念、社長のあいさつ、自社の沿革、地図などによるアクセスのご案内などが挙げられます。
また、ホームページに社長の写真を掲載することは信頼度向上のために重要です。株式会社ESSPRIDEが従業員数300名未満の企業で働く経営者200名と一般社員200名を対象に行った調査によると、経営者の62.0%、一般社員の79.0%がホームページやパンフレットに経営者の顔写真を掲載している会社のほうが信頼できると答えています。
そして、ホームページに記載する内容は、頻繁に更新するものではありませんので、情報が固定化してしまいます。そこで、次の方策をとることとなります。
免許返納による売上減少のガソリンスタンドがとるべき対策2:ブログを頻繁に更新する
ブログで発信する情報は、ストック型情報と呼ばれ、ネットで検索した際にキーワードが一致すれば、検索結果として表示される情報となります。その情報が、検索した方が抱える課題を解決するものであれば、価値が高まり、集客に結び付く可能性が高まります。
そこで、ターゲットを明確にして、ターゲットが抱えているであろう課題を解決できるような記事を書き溜めます。ターゲットは「地域住民」などとするのではなく、自社でなければ狙えない顧客にする必要があります。
冒頭の経営者は身体に障害を抱えていました。よって障害者をターゲットにして、障害者が職場で抱える課題を解決できるようなブログを書くことによって、ファンを作れば、その方々は興味を持ち、来店する理由ができることとなります。
ポイントは毎日同時刻に更新することです。毎日役立つ情報を発信することで、検索結果に表示される可能性を高めます。また、同時刻に更新することで、読み手の日常に食い込むことができれば、その読み手は固定的なファンとなります。
ただし、発信する情報の新鮮度や、発信者の人となりをより訴求するためには次に示す方法でフロー型情報を発信する必要があります。
免許返納による売上減少のガソリンスタンドがとるべき対策3:SNSを活用する
TwitterやFacebook、インスタグラムといったSNSを用いて発信する情報は、フロー型情報と呼ばれ、どんどん流されていく情報です。よって、発信した際はタイムリーかつ新鮮な情報ですが、検索結果には残りにくい情報です。
これを活用する目的は、一言でいうと生存報告です。生きている、活動しているという報告をしていくことで、リアリティが生まれ、ブログやホームページへの信頼性も高まることとなります。
今回は、免許返納による売上減少のガソリンスタンドがとるべき対策として、1.ホームページを持つ、2.ブログを頻繁に更新する、3.SNSを活用する、を挙げました。商圏内の顧客が減少したなら、商圏を広げる必要があります。その際に有効なツールのひとつがインターネットですので、ぜひ活用していただければと思います。
メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓
電子書籍のご案内
1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円