好ましくない傾向にフォーカスしてしまう
「人がいなくて」「高い賃金が払えなくて」「大手が進出してきて」「人口が減少していて」「従業員の意識が低くて」などなど、自社・自店の好ましくない傾向をことさらに強調する経営者・店長がいます。
自店を取り巻く環境は、「内部/外部環境」に分けられ、それらは「好ましい傾向/好ましくない傾向」にさらに切り分けられます。そして、内部環境の好ましい傾向を「強み」、好ましくない傾向を「弱み」、外部環境で好ましい傾向を「機会」、好ましくない傾向を「脅威」と呼びますが、この「弱み」と「脅威」にフォーカスし、「だから大変なんです」「だから上手くいかないんです」「だから儲からないんです」と主張する方です。
妖怪・私はかわいそう
こういう方を「妖怪・私はかわいそう」と呼び始めたのは、心理カウンセラーの心屋仁之助氏だと思います。この「妖怪・私はかわいそう」は、被害者意識があります。そして「私は凄く大変なんだからどうにかして下さいよ」という圧力を相手にかけてきます。
ガソリンスタンドの店長から経営コンサルタントに転じて驚いたのが「汗をかかず、お金を使わずに儲ける方法はないか」と考える経営者・店長の多さです。そんな方法はあるはずがないのに、「妖怪・私はかわいそう」は、自分の大変さをひたすらアピールし、汗をかかず、お金を使わずして、儲けようとします。儲からないのは他人のせい。なぜなら自分は被害者だからです。
自分と向き合う
こういう方々は、年齢・性別にかかわらず、独特の重さというかべったり感があり、依存心が強く、自立していません。自分の気分も業績も、そして人生すらも他人に委ねて生きています。「妖怪・私はかわいそう」にとって上手くいかないのは、すべて他人のせいなのです。そうしておけば自分が傷つかないで済むからなのです。
典型的なのは、不機嫌になった時に「私の不機嫌を直しなさいよ」と不機嫌になった原因を他人に求めてしまうケースです。自分が勝手に不機嫌になったにもかかわらず、です。
まず、自社・自店がうまくいかない原因を他者のせいにしない。しっかり向き合い、自分の手で解決しようとする。汗をかき、大変な思いをし、儲けると決める。こちらのコラムで述べたように覚悟を決める。
自分は妖怪になっていないか。そうじゃない、と言う人こそ、妖怪になっている可能性が高かったりします。
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