職場恋愛していることが周囲に及ぼす影響
あるガソリンスタンドでは、社員A男と社員B子が交際しており、職場全員が公認している仲でした。同店では、3名体制で店舗運営をする日や時間帯があり、シフトの状況によっては、A男、B子、そして他の社員で店を運営するケースが多々ありました。
この場合、A男、B子は普通に仕事していても、他の社員が気を遣ってしまい、疲れてしまうという不満が出ていました。
職場恋愛が破綻したことが周囲に及ぼす影響
別のガソリンスタンドでは、アルバイトC男とアルバイトD子が交際しており、これも職場全員が公認している仲でした。ところが、C男とD子の仲が破綻してしまいました。
すると、C男が洗車の仕上げ作業をしているとD子が手伝わなかったり、また、その逆があったりと、周囲から仕事がやりにくいという不満が出ていました。
なぜ職場恋愛が起こるのか
何度も繰り返して接触することにより、好感度や評価等が高まっていくという効果をザイオンス効果(単純接触効果)と呼びます。アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱したことからこのように呼ばれています。職場恋愛は、このザイオンス効果から発生すると言われています。
また、若いスタッフが多く働くロードサイド店舗では、職場恋愛は発生しやすいと言っても良いのではないでしょうか。
職場恋愛は禁止できるのか
反面、上記のような弊害があるため、就業規則で職場恋愛を禁止している会社もあります。しかし、就業規則に「職場恋愛禁止」を盛り込んだからといって、それを理由に処分をすることは困難でしょう。それは、恋愛は基本的には個人の自由だからです。
ここで問題にしたいのは、職場恋愛がきっかけで「社内の風紀を乱す(風紀紊乱)」、「素行不良」が発生したときの対処です。これに関しては、懲戒事由、解雇事由となり得ます。とはいうものの、労働力不足の昨今、簡単に解雇というわけにもいかないでしょう。
そこで、職場の責任者は、部下同士の職場恋愛の兆しが見えた時には、一刻も早く面談をして、周囲への迷惑を予防しておく必要があります。具体的には、2人の関係を周囲に気付かれないようにする、気付かれても周囲に気を遣わせないようにする、別れても業務に支障がないようにする、といった点を伝えるべきでしょう。
ところが、部下に興味を持たない、もしくは興味が薄い責任者は、そのカップルの職場恋愛の兆しに気が付きません。
歩行者用信号は赤が上か、青が上か、と問われて自信満々に答えることが出来る人は多くないのは、日々目にしていても興味がないからです。部下と日々会っていても、興味が無ければ、変化の兆しに気がつかないものです。
職場恋愛で周囲が疲れたりやりにくい状況になったりしないためには、現場の責任者が部下に興味を持って日々接すること、社内恋愛の兆しが見えたら即面談をすること、が重要だと思いますが、いかがでしょうか。
部下への興味に関する参考コラム
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■「褒めること」と「認めること」がモチベーションに及ぼす効果
■年上の部下への対応
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