求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンド5つの共通点

人材確保

 時給は他店以上の額を設定して求人広告を打っているのに、応募が来ないガソリンスタンドがある一方で、他店並みの時給で応募がどんどん来るガソリンスタンドもあります。この差は何なのでしょう?以降で応募がないガソリンスタンドの共通点を見ていきたいと思います。

1.求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンドの共通点

求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンドの共通点(1)店頭に求人広告がない

 インターネットが普及した今、多くの方がスマートフォンやパソコンで情報を収集しますが、インターネットで募集さえすれば、応募が来るのでしょうか。

 例えば、アルバイトとして働く先を探している人が、スマートフォンで検索をして、あるガソリンスタンドの求人情報を得たとします。そのような場合、応募する前に、そのガソリンスタンドの雰囲気を探るべく、まずは顧客として同店を訪れます。車を持っていなければ自転車でその店舗の前を通ることくらいはするでしょう。

 アルバイトの労働市場に特化した調査研究機関であるツナグ研究所によると、アルバイト応募者の2名に1人は事前に店舗の下見に来ています。

 下見の際、店頭に求人広告がなかったとしたら、本当に募集しているのか不安を覚えます。応募前に不安を覚えると他を探そうかという気になります。よって、これを防止するためには、店頭に求人広告が必要であると言えるでしょう。

求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンドの共通点(2)求人広告にメッセージ性がない

 下図は、実際に私が目にした求人広告です(写真の一部に処理を加えています)。

 どちらの方が、応募が多いかは一目瞭然のはずです。求人広告の内容が時給や勤務時間だけという無味乾燥なものになっていると、やはり応募を検討している方は不安を覚えます。

 「店長はスタンド歴10年のベテランです。頼りがいがあります!」

 「車の知識がなくても大丈夫。先輩が一からちゃんと教えます。」

 「洗車が得意なお店です。あなたも洗車のプロになりませんか?」

 このような、その店舗独自のオリジナルなメッセージがあってこそ、応募を検討している方の心が動き、応募という行動を起こすものです。

求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンドの共通点(3)求人広告に店長の写真がない

 株式会社ESSPRIDEが、全国の従業員数300名未満の会社に勤務している20~49歳の正社員を対象に、次のアンケート結果の公表を行いました。

 「就職や転職をする場合を想定してください。会社のホームページやパンフレットに経営者の顔写真がある会社とない会社を比較して、どちらの会社の面接を受けたいと思いますか」

 この質問に対して、69%の方が「顔写真がある会社」「どちらかと言えば顔写真がある会社」の面接を受けたいと答えました。

 つまり、求人広告を見て応募しようという方は「誰と」働くのかという点も重視するということです。よって、最低でも店長の写真は求人広告に盛り込みたいところです。可能であれば、スタッフの写真やスタッフから応募者へのメッセージも掲載すると良いでしょう。

求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンドの共通点(4)求人広告にビジョンが示されていない

 ビジョンとはありたい姿です。これがあるガソリンスタンドは、向かう先が明確になっている未来志向の店舗ですから事業に力強さを感じさせ、人を惹き付けやすくなります。

 「当社のビジョンは〇〇です。このビジョンを達成するには、現在の人員では質も量も足りないのです。だから、このビジョンを達成するために、私たちと一緒に走ってくれる方が必要なのです。」といった考え方を求人広告で訴求していく必要があるでしょう。

 過去にご支援した人材不足に悩む経営者のビジョンは「3年後は少しゆっくりしたい」というものでした。では「社長が少しゆっくりしたいという当社のビジョンを達成するために、当社で働きませんか」という求人広告が成り立つのか、というと当然ながらそうではありません。

 それを掲げることで多くの人が、そこに向かいたい、達成のために役に立ちたい、と思わせるものでなければ真のビジョンとは言えないでしょう。そして、そのようなビジョンを示すことが応募者を引き寄せることに繋がるのではないでしょうか。

求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンドの共通点(5) ガソリンスタンドの社会的地位が低いと思っている

 ガソリンスタンドの仕事は、夏は暑く、冬は寒く、「危険・汚い・きつい」の3K職場。だから社会的地位が低く、そんな仕事だから応募者がないと決めつけていませんか。もしかしたら経営者や店長がそのように思っているから応募がないのではないでしょうか。

 どんな他人であっても、自分を汚すことはできないはずです。自分が汚れたと思った瞬間に、自分は汚れます。同様に、他人に何を言われようと、社会がどうなっていようと、自分が惨めになる必要はありません。人は、自分が惨めだと思った瞬間に、惨めになります。

 汚れているかどうか、惨めかどうかは自分が決めることです。経営者や店長が、社会的地位が低いと思って働いている職場に人は寄りつかないものです。

 よって、経営者としては、部下である店長やスタッフに、自分の仕事の社会的地位を問いかけ、他人の評価に振り回されず、自分らしく生きなさいとエールを送り続けることが、職場を活性化させ、人材確保に繋がることとなります。

 今回のコラムでは、求人広告を打っても応募が来ないガソリンスタンドの共通点として、(1)店頭に求人広告がない、(2)求人広告にメッセージ性がない、(3)求人広告に店長の写真がない、(4)求人広告にビジョンが示されていない、(5)ガソリンスタンドの社会的地位が低いと思っている、を挙げました。求人に苦労している店舗は、早期にこれらを潰して、地域の雇用に寄与していただけたらと思います。

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