ポイントカードと固定客

コラム

不特定多数と特定少数

 ロードサイド店舗を経営・運営していると、不特定多数の顧客が来店されます。売上規模が同じだとして、来店客100%が不特定多数の顧客である場合と、来店客90%が不特定多数であり10%が特定少数、つまり固定客である場合では、月々の売上の変動が小さいのは後者の方であることは、想像に難くないと思います。

 よって、固定客をどれだけ増加させるかはロードサイド店舗にとって大きな意味を持ちますが、どちらかというと新規顧客の集客に注力し、既存顧客のリピートを軽視しがちな店舗が多い印象があります。

 一説によりますと、新規顧客1件の獲得に要するコストは、既存顧客のリピート1件の獲得に要するコストの4倍とも言われています。よって、既存顧客のリピートを促進させることが効率の良い店舗運営と言えるでしょう。言葉は悪いのですが、そのロードサイド店に対して顧客が依存症となり、中毒を発症していただくように仕組むのです。

上得意客の影響力

 パレートの法則は、20%の顧客で売上の80%を占める、というものです。つまり店舗に対する上得意客の高い貢献度を示したものです。再来店を促し、上得意客に育てるという取組みの重要性を示したもの、とも言えます。

 あるロードサイド店は、近隣に超大型ショッピングセンターが進出し、顧客が流出、売上が大きく低下しました。様々な手を打ちましたが、なかなか効果が出ませんでした。そこで、多少費用はかかるものの、ポイントカード制度を導入しました。顧客は買い物金額に応じポイントが貯まり、店舗はその顧客の購買履歴が分かります。

 そして、ポイントカードを導入して1年後、購買金額上位20%の顧客にダイレクトメールを発送しました。このダイレクトメールを持参すると各種割引サービスが受けられる、というものです。この結果、12年間連続して前年売上を割っていたこのロードサイド店は、このダイレクトメールをきっかけに12年ぶりに前年売上を超えました。

 買えば買うほどポイントが貯まるポイントカードは導入しっぱなしのケースが多く見受けられますが、店舗側が上得意客のプライドをくすぐり、来店を促す働きかけをすることで成功をもたらした好事例と言えるでしょう。

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