ポイントカードの発行数はまだまだ増やせる3つの理由

リピーターの確保

 「ポイントカードのお勧めは一巡してしまった感じです」
 高齢者がメインの客層となっている雑貨店の店長が言いました。同店は3年前にポイントカード制度の導入をきっかけに、大きく業績を向上させましたが、最近はポイントカードの新規発行が停滞しています。その規由が冒頭の台詞でした。

 キャッシュレス決済が普及しつつある中、スマホのアプリでポイントを貯めるケースが増加しつつありますが、高齢層は財布に入るポイントカードを好む傾向があります。

 同店では、このポイントカードの発行が頭打ちになっているとのことですが、実はまだまだ増加させることが可能です。今回のコラムでは、その理由について見て行きます。

増やせる理由1:アプローチできていない顧客が相当数いるから

 同店では、ポイントカードを発行する際に、顧客の氏名、住所などの連絡先をご記入いただくとともに、1枚100円の発行手数料をいただいています。よって、とりあえずといった「薄い」顧客がポイントカードを作るケースは少なく、同店に比較的思い入れのある「濃い」顧客が作るケースが多い状況です。

 同店のスタッフは主観的な判断で「濃い」顧客にポイントカード発行のアプローチをしますが、判断基準が主観的である以上、自ずとアプローチされていない「濃い」顧客も存在することになります。

 よって、「濃い」「薄い」という判断ではなく、全ての顧客にアプローチをすることで、潜在的な「濃い」顧客がポイントカードを申し込む可能性が高まります。なお、○円以上のお買い上げをしたらアプローチをする、といった「濃い」か「薄い」かの基準を設定することは、自ずと間口を狭めてしまうため、この手法のお勧めはできません。

増やせる理由2:説明不足の可能性があるから

 ポイントカード作成のアプローチをして1度断られると、もうアプローチしないケースがありますが、初回のアプローチで同店のポイントカードの魅力を全て理解していただいた上で、断られているのであれば、それで良いでしょう。ですが、往々にして顧客はスタッフの説明は受け流していることも多く、ポイントカードの内容を理解していないケースも多々見受けられます。

 よって「当店のスタッフからポイントカードのご説明を受けられたことはありますか?」と訊いて「ある」という返答であれば、「このポイントカードのポイント還元率はご存じですか」「このようなプレゼントがもらえるのをご存じでしたか」といった2回目以降のアプローチを準備し、展開していく必要があります。

増やせる理由3:顧客とスタッフには相性があるから

 同じことを言われて、ある人の言うことは素直に受け入れることが出来なくても、違う人から言われると受け入れることが出来るケースがあります。

 これは、相性の問題ですから、顧客へポイントカードをお勧めして断られても、別のスタッフがお勧めすると入会していただけるケースもあることを考えると、誰かが1度アプローチをして玉砕したとしても、それを理由に他のスタッフがお勧めしないことは非常にもったいないと感じます。

 さらには、顧客がたまたまその日はイライラしていたり、たまたまその日は時間が無かったりしてお断りするケースもあり得ることに留意しておく必要があります。

 今回のコラムでは、ポイントカードの発行数はまだまだ増やせる理由として、1.アプローチできていない顧客が相当数いるから、2.説明不足の可能性があるから、3.顧客とスタッフには相性があるから、を挙げました。

 ポイントカード発行が頭打ちと感じている経営者・管理者は、これらを店舗スタッフに伝えて、店舗の停滞感を打破する必要があります。

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