朝日新聞が主催する専門家登録サイトであるマイベストプロですが、先日、このサイトに登録している専門家が集まり、ランチ会が開催されました。その際に「マイベストプロ活用のコツ」という演題でお話をさせていただきました。
マイベストプロに登録している多くの専門家は、ご自身が執筆したコラムを読んでいただき、見込み客から問い合わせを増やそうとします。ですが、なかなかコラムを書けないというジレンマを抱えています。
書けない理由は様々ですが、その中の大きな理由としてコラムのネタがないというものがあります。そこで今回の登壇では、主にコラム執筆を目的としたネタの見つけ方をご紹介することとしましたが、多くの参加者が深く肯いたのは、私が以下の趣旨の発言をした時です。
「コラムのネタがないことが問題なのではなく、ネタの見つけ方が分からないことが問題なんです」
この考え方は、ガソリンスタンドなど店舗の運営に置き換えることが可能です。つまり、数字が出ないことが問題なのではなく、数字の出し方が分からないことが問題、ということです。数字は結果ですが、その出し方が分かれば数字は出せるわけです。ここに着目しているかどうかが、利益を出せるか否かの分岐点になり得ます。
今回のコラムでは、これを踏まえて、利益を出せるガソリンスタンドとそうでないスタンドの差を見ていきます。
利益の出せるガソリンスタンドとそうでないスタンドの差1:教育という誘因
多くのガソリンスタンドは、スタッフに実績を求めます。そこには、店舗側は給料を払っているのだから、それに見合う利益を出しなさいというメッセージが込められています。
ですが、給料さえ払っていれば、それに見合う利益を出せるものなのでしょうか。組織が従業員に与えているものを組織論では「誘因」と呼びます。従業員は、その「誘因」の見返りとして労働力の提供という「貢献」を行うわけですが、「誘因」は「貢献」と同等かそれより大きくなければ組織への参加はしないとされています。
つまり、利益を出すことができない従業員は、給料という「誘因」だけでは利益を出すという「貢献」が提供できないと捉えることが可能です。そこで「誘因」を大きくしなければならないこととなります。
既に与えている「誘因」である給料を増やすのも一考ですが、それも限りがあります。そこで、給料の他に給料以外の「誘因」を付加することで、トータル的な「誘因」を増加させることが可能です。
給与以外の「誘因」として挙げられるのが、「販売の仕方」という教育です。つまり、実績を求めるのではなく、実績の上げ方を提供することにより、「誘因」が大きくなり、「貢献」に繋がる可能性が高まるということです。
ただし、「販売の仕方」は知っているのに利益を提供出来ない従業員も存在します。そのような場合の取り組み方として以下が挙げられます。
利益の出せるガソリンスタンドとそうでないスタンドの差2:傾聴という誘因
基本的には、これまで見てきたように「求めるのではなく与える」というスタンスが必要なわけで、「貢献」よりも大きな「誘因」の提供が必要ですが、経験の豊富な従業員は、スキルはあるので教育という「誘因」を提供する必要性は高くありません。
必要性が高いのは、保有するスキルを発揮できるようにする取組みです。そのためには当事者の状況を把握しなければいけません。よって、当事者の話を傾聴し、不明な点は質問を投げかけ、その答えを傾聴するという作業を繰り返して、当事者を理解し、それに応じた施策を講じていく必要があるでしょう。
これら一連の流れに関しては、以下のコラムを参考にしてください。
売上が厳しい店舗の店長はなぜ部下の話を傾聴できないのか
ロードサイド店舗の店長が身に着けたいコーチングの基本スキル
ロードサイド店舗は人材が命!社員教育で効果を出す3つの方法
利益を出せるガソリンスタンドとそうでないスタンドの差として、1.教育という誘因、2.傾聴という誘因、を挙げました。従業員のスキルに応じてこの2つを使い分け、利益を出せるようにしていただけたら、と思います。
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