外部環境の変化がもたらした脅威
ある洋菓子店は駅前に立地しており、乗降客が店舗へ訪れ、大層賑わっておりました。ところが、店舗の眼前にある駅を含む鉄道が廃線となり、駅舎が取り壊されました。近隣住民はどこかへ移動する際にその駅舎を使用することはできなくなり、その洋菓子店へ足を向けることも少なくなりました。
また、近隣にスイーツを販売する全国チェーンのコンビニエンスストアが開店したことも、客足減少に拍車をかけることとなりました。
物事をポジティブに捉える重要性
話は変わりますが、ある企業は朝礼時に、前日のグッドニュースを全社員に発表させています。1人1人が前日にあった出来事のうち、良かったことをグッドニュースとして発表するわけですが、漫然と1日を過ごしていても、そうそうグッドニュースは現れません。
日々あった出来事をポジティブに捉えなければグッドニュースは発表できません。例えば、ある方のその日のグッドニュースは以下のような内容でした。
昨日、パチンコ店の前を歩いていたところ、雨でもないのに足元が滑りました。滑った足元を見るとパチンコ玉が1個だけ転がっていました。私はこのパチンコ玉を靴の裏で踏んだため、滑ったようです。しかし、数あるパチンコ玉のうち、この1個が店外に転がり出たこと、そして、たまたま私の靴に踏まれ、私と出会ったことに、このパチンコ玉との強いご縁を感じました。
実は、この時は時間がなかったので、そのパチンコ玉は持って帰ってきました。時間のあるときにこのパチンコ玉を持って久しぶりにパチンコをしようと思います。玉がジャンジャン出たときのことを思うとワクワクするんです。
道を歩いて滑ったことは良いことではありませんが、それをポジティブに解釈することでグッドニュースになります。同様に、ピンチと思われることをポジティブに解釈することで強みや機会が発生します。
ピンチをチャンスに変える
冒頭の洋菓子店は、立地状況が悪くなったとはいえ、少ないながらも顧客は訪れます。これらの顧客は立地条件に左右されない、同店のファンと呼ぶべきコアな顧客です。
このようなコアな顧客の存在は、同店の強みですから、どのように活かすことができるのかを検討します。例えば、顧客アンケートを行い、当店にご来店なさる理由や当店へのご要望を明らかにして、より店舗や商品の付加価値を向上させます。
また、洋菓子はインスタ映えする商品ですから、SNSで紹介してくれたり、同店のFacebookに「いいね」をしたりしていただけたら、特典を設けることも一考です。ネットでの拡散は広告宣伝になるからです。
このようにして、立地が悪くなっても店舗を盛り上げる打ち手はまだまだあるはずです。また、近隣に立地する全国チェーンのコンビニエンスストアが販売するスイーツは、全国的に需要のあるものを販売することとなりますが、地元産の食材を使った新商品開発は、そのような商品と差別化することが可能となります。
立地が悪くなったということは、知る人ぞ知る店になる機会だということを強く意識し、ポジティブに事業展開をする必要があるのです。
【洋菓子店に関する参考記事】
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